Brother in Law Ver.弟・表 ページ42
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「姉さん」
聞き覚えのある優しい鼻声。柔らかな声に反して私のお腹は鉛を飲み込んだように重い。
本音を言うなら、会いたくなかった。特に今回は。光加減でオレンジ色に光るふわふわとした彼の髪を見て、現実だと思い知る。
優しく光る瞳は決して慈愛などを含めていない。ただどす黒い独占欲と嫉妬と怒りが渦巻いているようにしか見えない。
ダメだ。ますます口が重くなる。
眼前には冷たい瞳で笑う無邪気なバケモノがいるのだ。小悪魔さながらの可愛らしいルックスで私をごまかせるわけがない。
私は彼にされるがまま頷き、連れ去られる。
弟にリードを任せ、相手の思惑を読み取ろうと髪の色と同じ色の瞳を凝視する。
「何見つめてるの、もしかして僕にほれちゃった？」
弓なりに細めた目がオレンジの瞳を隠す。笑う笑顔がどこか懐かしさをおぼえて。
それでもどこか恐ろしく感じる。
ジワリと手袋に汗がにじむ。きもちわるい感触を奥歯を噛み締めて平然沈着とした顔で笑顔を眉目すら動かさず、微笑み続ける。ここで隙を見せたら私の負けなのだ。
「ふふ。とうの昔から慕っているわ」
嘘だ。誰がお前なんかを好きになるか。だけれどここで馬鹿正直に答えれば頭にさよならを告げなければならない。
そんなことは誰だって嫌に決まっている。
「ホントは来て欲しくなかったんだよね」
笑顔でつげられる鋭い言葉。つららのように尖っており、注射針のようにするりと心に入ってくる。
「だって綺麗なAを見たらみんなが恋に落ちちゃうでしょ？」
甘言か戯言か。私にその判断はつかない。けれど彼の瞳の奥にデフォルメされた感情は見当たらない。こいつ、本気だ。
滲む狂気が彼の目線を通してひたひたを私に注がれる。いつの間にか一曲が終わってしまった。
彼は優雅に一礼して私の元を去った。
蜂蜜のような甘い、それでいて抗いがたい香りがただただそこにあるばかり。
少しだけ切ないなんて思ったのはきっときっと気のせい。
End : オレンジ色の蜂蜜
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はだかの王様
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GArateA(プロフ) - 鵯さん» いえいえ、これからもお話楽しみにしていますね、更新頑張ってください、 (2017年12月24日 0時) (
レス) id: 3b0b0f93af (このIDを非表示/違反報告)
鵯(プロフ) - GArateAさん» ご閲覧、誠にありがとうございます。愛読して下さっているなんて誠に光栄です。 (2017年12月23日 23時) (レス) id: 10532b6a12 (このIDを非表示/違反報告)
GArateA(プロフ) - 初コメ失礼します、本当にこのお話大好きです。私がみたヤンデレ作品の中で一番好きなタイプのお話が多くて、異常性癖ものが大好きなので、何度も読み返してしまいました、笑 (2017年12月23日 23時) (レス) id: 3b0b0f93af (このIDを非表示/違反報告)
鵯(プロフ) - 暁月@歌い手.実況者好きさん» どうもこんばんは。いつも閲覧下さりありがとうございます。僕も今、相当悩んでおりまして。ご厚意にお礼申し上げます。 (2017年10月24日 17時) (レス) id: 10532b6a12 (このIDを非表示/違反報告)
暁月@歌い手.実況者好き(プロフ) - こんばんは！またまたここに書き込ませていただきます！Aでお願いします！ (2017年10月23日 22時) (レス) id: ab03b0a6d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鵯
| 作成日時：2017年9月30日 18時
