22話 ページ23
暗い路地を、左馬刻は1人歩く。
Aに言われた通り、彼がシャワーを浴びている間にマンションを出たのだ。
今度は何も言わずに。
点滅している街灯が、あたりの雰囲気を悪くしている。けれど今の左馬刻には、そんなものはどうでも良かった。
そんなことよりも、流れる涙が止まらない。
溢れて、溢れて、自分ではどうしようも出来ない。
どうしてこんなにも出るのか。
父親にされた時は、こうはならなかったのに…。
左馬刻は上手く働かない頭で必死に考えた。
そして、先程のAを思い出す。
『犬らしく従順にしてろ』
そんな、冷たい言葉を思い出す。
「あ………そっか…」
立ち止まり、街灯がスポットライトのように左馬刻を照らす。
「……俺、あの人に…」
愛されたかったんだ…。
更に涙が溢れてくる。左馬刻はそれを拭うことをしなければ、止めようともしない。
「…キスも、それ以上もっ……」
ただの欲のはけ口ではなく、苛立ちや苦しさの発散ではなく、愛のあるものを…。
恋人のように、愛されたかった。
けれど、先程のキスも発言もそれは全くなかった。
Aには、一切その気持ちが無い。
左馬刻はそう思うと、心が抉られるような痛みを感じた。
自覚してしまった、己の気持ちを。
Aが好きだと、自分を犬扱いする酷い人を……左馬刻は残酷にも愛してしまった。
「……バカみてぇ……叶うはず、ないのにっ…」
自覚してしまったら最後、それを簡単には消せない。
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洸牙(プロフ) - はちゃめちゃに最高でした………。設定が神がかってる上に文章も素敵で 、本気で感動しました。左馬刻様が可哀想可愛いすぎて情緒めちゃくちゃです。この2人のその後とかを考えて、勝手に泣きそうになったりしてます。これからの作品も楽しみにしてます! (2022年2月9日 23時) (レス) id: 5f00eb5dfd (このIDを非表示/違反報告)
リト - とても面白かったです!!!!もう大好き!!他の作品も、見てみようと思います。お疲れ様でした。 (2021年12月21日 1時) (レス) @page45 id: 2df230b8f3 (このIDを非表示/違反報告)
ロト(プロフ) - スマホに変えてて慣れるのに時間かかってたらいつの間にか完結していた…だと…!?完結おめでとうございます!!読む度に語彙力が蒸発するくらい萌えてました。読み終わった今はクラッカーを100回くらいパァンってしたい気分です!! (2020年4月30日 1時) (レス) id: f40d6209a3 (このIDを非表示/違反報告)
心春(プロフ) - 亜星可也さん» コメントありがとうございます。無事完結できて良かったです。そしてご心配して下さり、ありがとうございます。亜星可也様も、体調等お気をつけください。 (2020年4月6日 18時) (レス) id: 3f9e794f84 (このIDを非表示/違反報告)
亜星可也(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!もう本当に左馬刻が尊すぎて最高でした!!最近コロナが本当に危ないので感染しないように十分にお気を付けください!!! (2020年4月6日 18時) (レス) id: 430d859c05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:心春 | 作成日時:2020年2月18日 14時