21話 ページ22
言われた通り、Aの方を向いた左馬刻。すると唇に柔らかい感触を感じた。
そして、目の前にはAの顔だ。
何をされているのか、左馬刻はすぐに理解することが出来なかった。
｢ん……んぅ!?｣
抵抗しようと腕を上げれば、それを捕まれ。
後頭部に手を回され、より深い、濃密なキスをされる。
｢んっ…んぅ…、……ぅ…っんん…｣
自分のモノとは思えない、思いたくない声が出る。それに顔だけでなく耳も首も左馬刻は赤くした。
どれくらい続いたのだろうか、刺激と快楽で麻痺した頭では分からなかった。
｢…んぅ……はっ、…はぁ……な、なに…｣
｢……無理矢理されたのが消えねぇなら、俺で上書きするか?｣
｢…は…?｣
突然そんなことを言われ、左馬刻は困惑する。
｢それに、励ましてくれんだろ?｣
｢は、励ますなって…さっき!｣
｢言葉では…な。体は別だ｣
そう言って左馬刻を押し倒したA。
左馬刻はそれが父親と重なり、言い知れない恐怖を感じた。
｢や、いやだ!やめろ!…離せ!退け!｣
｢抵抗してんじゃねぇよ。犬らしく従順にしてろ｣
その言葉に左馬刻は目を見開き、そして涙が流れた。
結局、この人も発散道具として自分を使うつもりなのだと…。
｢…っ…やだ……めて、くださ…｣
涙が止まらない。父親にされた時とは違う涙だ。
けれど、何の涙なのかは左馬刻は分からなかった。
震える手で、声で、やめて欲しいと意思表示をする。
｢…っ…………は、ははっ……結局俺も、お前の親父と変わんねぇな…。
悪い、これで涙拭け｣
Aは左馬刻の上から退くと、肩にかけていたタオルを左馬刻に渡した。
左馬刻はそれを素直に受け取ると、顔を隠す。
｢……どうかしてた、悪かったな。
……謝るが、俺を許すんじゃねぇぞ｣
｢………｣
何も答えない左馬刻。
いや、答えられないのだ。
困惑、恐怖、そんな感情がぐるぐると頭を掻き乱している。
｢落ち着いたら家に帰れ、必要なら車出す｣
もう一度シャワーを浴びてくると言って、Aは左馬刻を置いてその場を離れた。
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洸牙(プロフ) - はちゃめちゃに最高でした………。設定が神がかってる上に文章も素敵で 、本気で感動しました。左馬刻様が可哀想可愛いすぎて情緒めちゃくちゃです。この2人のその後とかを考えて、勝手に泣きそうになったりしてます。これからの作品も楽しみにしてます！ (2022年2月9日 23時) (
レス) id: 5f00eb5dfd (このIDを非表示/違反報告)
リト - とても面白かったです！！！！もう大好き！！他の作品も、見てみようと思います｡お疲れ様でした｡ (2021年12月21日 1時) (レス) @page45 id: 2df230b8f3 (このIDを非表示/違反報告)
ロト(プロフ) - スマホに変えてて慣れるのに時間かかってたらいつの間にか完結していた…だと…！？完結おめでとうございます！！読む度に語彙力が蒸発するくらい萌えてました。読み終わった今はクラッカーを100回くらいパァンってしたい気分です！！ (2020年4月30日 1時) (レス) id: f40d6209a3 (このIDを非表示/違反報告)
心春(プロフ) - 亜星可也さん» コメントありがとうございます。無事完結できて良かったです。そしてご心配して下さり、ありがとうございます。亜星可也様も、体調等お気をつけください。 (2020年4月6日 18時) (レス) id: 3f9e794f84 (このIDを非表示/違反報告)
亜星可也(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!もう本当に左馬刻が尊すぎて最高でした!!最近コロナが本当に危ないので感染しないように十分にお気を付けください!!! (2020年4月6日 18時) (レス) id: 430d859c05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：心春 | 作成日時：2020年2月18日 14時
