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13話 ページ14

「なんか…機嫌悪ぃな、お前」

車に乗っての帰宅途中、Aが煙草を出しながらそう言った。左馬刻はいつもの様にライターを取り出し、火をつける。

「ん……んーで、なんで機嫌悪ぃの」

「別に、悪くないです」

景色を見ながら、左馬刻はそう答える。
その態度は、Aからすれば拗ねているようにしか見えない。

「……鬼久呂と何かあったのか」

「……っ」

眉間に僅かだがシワがよった。
Aがそれを見逃すはずがない。

「俺には言えねぇ?」

「…言いたくねぇ」

「あっそぉ……左馬刻、飼い主命令だ。話せ」

そう言われてしまったら、左馬刻は話すしかなくなる。

「Aさんと鬼久呂って奴……どういう関係なんすか」

「………」

Aは煙を吐きながら、なるほどなぁ…と1人納得した。

「なんて答えて欲しい?」

「は?」

まさかそんな返答が返ってくるとは思っていなかった左馬刻は、口を開け間抜けな顔をしてしまう。

「ただの頭と舎弟か………愛し合う関係か…」

「…っ……」

左馬刻は下唇を噛み締め、拳を強く握った。それは無意識なのか、本人はそんな表情を隠そうともしない。

「……ぷっ……くく、くっ……」

「な、何笑って…」

「いやぁ、お前の反応が可愛いんで…ついな」

可愛いなんて言われても嬉しくない。
嬉しくない筈なのに、左馬刻は緩みそうになる口角を何とか我慢した。

Aは手にしていた煙草をもう一度加え直し、空いた手でその白い髪を撫でた。

「アイツらがよからぬ噂でもしてたか?
けど安心しな、鬼久呂はお気に入りではあるが…そういうんじゃねぇ。
つか、タイプじゃねーし」

「タイプって……男のタイプとか、あるんすか」

「……知りてぇの?」

流し目に、熱の篭った声。
左馬刻の顔は一気に赤くなってしまった。そして、勢いよく首を横に振る。

「い、いい!知りたくねぇ!」

「なんだ、残念」

Aはそう言うと、車の窓を少し開けその風を浴びた。

左馬刻にも、その風が届く。
聞いておけば良かったかも、なんて考えが頭を過り、左馬刻は再び首を横に振った。

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設定タグ:碧棺左馬刻 , 男主 , 男主攻め
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洸牙(プロフ) - はちゃめちゃに最高でした………。設定が神がかってる上に文章も素敵で 、本気で感動しました。左馬刻様が可哀想可愛いすぎて情緒めちゃくちゃです。この2人のその後とかを考えて、勝手に泣きそうになったりしてます。これからの作品も楽しみにしてます! (2022年2月9日 23時) (レス) id: 5f00eb5dfd (このIDを非表示/違反報告)
リト - とても面白かったです!!!!もう大好き!!他の作品も、見てみようと思います。お疲れ様でした。 (2021年12月21日 1時) (レス) @page45 id: 2df230b8f3 (このIDを非表示/違反報告)
ロト(プロフ) - スマホに変えてて慣れるのに時間かかってたらいつの間にか完結していた…だと…!?完結おめでとうございます!!読む度に語彙力が蒸発するくらい萌えてました。読み終わった今はクラッカーを100回くらいパァンってしたい気分です!! (2020年4月30日 1時) (レス) id: f40d6209a3 (このIDを非表示/違反報告)
心春(プロフ) - 亜星可也さん» コメントありがとうございます。無事完結できて良かったです。そしてご心配して下さり、ありがとうございます。亜星可也様も、体調等お気をつけください。 (2020年4月6日 18時) (レス) id: 3f9e794f84 (このIDを非表示/違反報告)
亜星可也(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!もう本当に左馬刻が尊すぎて最高でした!!最近コロナが本当に危ないので感染しないように十分にお気を付けください!!! (2020年4月6日 18時) (レス) id: 430d859c05 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:心春 | 作成日時:2020年2月18日 14時

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