【刀剣乱舞】神隠しされるそうです。 (ページ5)

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前田藤四郎ページ5

夜に厠に行く途中、縁側を通りかかった前田藤四郎が聞いたのは、誰かのすすり泣く声だった。

「おばけ…?!」

彼は丸腰。もし相手が襲いかかってこようものならただでは済まない。

縁側を避けて厠に行くことにした。

しかし、やはり気になる。

帰る途中、彼は意を決して縁側へと歩を進めた。

覗いてみると、Aが座っていた。

「……主君？」

前田はAにかけより隣に座る。

「どうされたのですか？こんな夜更けに」

「ちょっと…眠れなくてね」

月明かりで照らされたAは微笑んでいたが、前田はその微笑みの中に違和感を覚えた。

じっと見つめていると、目が赤く腫れているのに気づいた。そう言えばすすり泣きが聞こえていたと思い出した。

「なにか、現世で辛いことでも…？」

Aは昼間の間、現世にて用事があるらしく、本丸を留守にしている。そのため、その時の彼女の様子を刀剣男士達は知らない。

「まあ、色々あるか、な…」

それを聞いた彼は俯き、呟いた。

「Aさん…………」

「主君を悲しませる全てのものから、護ってご覧にいれますよ」