TO_GET_HER. (ページ12)

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G「なぁヨンベ。俺に言う事ない？」

事務所に着いて挨拶もソコソコに定位置のソファーにドカッと座った俺に、ヨンベは呆れた顔でため息をついた。

Y「ジヨン。むしろ俺に言う事ない？」

馬鹿にしたような顔すんなよ。
聞いてんのは俺だろ？

心の中の悪態をぐっと堪える為に小さく深呼吸をした。

G「Aがさよならって。手紙。」

無茶苦茶な伝え方だけどこいつなら分かると思ったし、何よりこいつはきっと全部知ってる。

Y「じゃあ俺別に悪い事してないよね？」

G「は？！」

悪い事ってなんだよ？
もう昨日の今日で手出したってか？
いくらAと仲良くてもありえねーだろ。

Y「勘違いしてない？(笑)
ジヨンのせいで別れたんだろ？
それで行く所もないからうちに居るけどそれもジヨンのせいだよね？
むしろ俺は良い事してるじゃん！」

そういう事ね。
ほらな、やっぱり全部知ってんじゃん。

G「いや、別れてないから。」

Y「は？」

G「別れようなんて書いてなかったし。俺も別れる気なんてないから。」

さようならって書いてあっただけ。

別れようなんて一言も書いてなかった。

それにAは俺のだ。
もう5年も一緒にいるんだぞ？

そうやすやすとはい分かりました、なんていかねぇ事ぐらい分かってんだろ。

Y「恋人に向けてのさようならは別れようと一緒だろ(笑)
あんなに美味い飯が食えないなんてお前は可哀想だな(笑)」

当たり前の事を当たり前だと突きつけられても、今の俺には何にも響きやしない。

俺と同じような事を誰かが言っていたら、きっと俺はそいつに馬鹿なのかと言ってやりたくなる。

それぐらいおかしい事を言ってるってのは自分でも分かってる。

だけどこれだけはそう簡単に二つ返事で了承するわけにはいかない気がして、俺の頭がそう叫んでるんだ。

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