TO_GET_HER. (ページ11)

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震える携帯の振動で目が覚め、誰からなのかも確認せずに耳に当てた。

マネ「おい、もう着いてるぞ！後10分だけ待つ！」

マネヒョンの怒鳴り声にハッとなり目を開けると、Aが置いていった紙を握りしめたまま俺はソファーで眠っていたらしい。

G「急ぐ。」

それだけ伝え急いでシャワーを浴びて準備をした。

G「行って...」

ついいつものように"行ってくる"と言おうとして、言いきる前に我に返った。

もういないんだ。

行ってくるなんて言わなくてもこの家には俺の帰りを待つやつなんていない。

再び震え出した携帯に小さく舌打ちをして、床に落ちたぐしゃぐしゃに丸まった紙をポケットに押し込み急いで家を後にした。

マネヒョンに小言を言われながら、聞いてるフリをして視線は外。

思考はまた別の所。

いつもと変わらない景色に、変わったのは俺ら2人だけなんだと思い知らされる。

そういえばAは家を出てどこへ行った？

韓国に身寄りなんてないだろ。

2台目の携帯を取り出し慣れた手つきで探し出す。

G「いた...。」

Aは知らない。

Aの携帯のGPSが俺に繋がってるって事を。