隙を見せた＊°.ルチアーノ ページ37
「…見つけた。ここにいたのか」
「あ、うぅ…」
「こら、逃げるな」
いつもより優しい声色が逆に怖くて、その場から逃げようとするもフードを掴まれて彼の胸の中に収まってしまった。
「A、言うことはないか？」
「…ない」
「私がいつも背負ってるものがないと思うのだが？」
「…わかんない」
「A」
少し低くなった声に思わずビク、と小さく肩を揺らす。
「わ、わかんないものはわかんないってば」
子供みたいに言い返して、腕が緩んだのを確認してから彼から離れる。
彼が怒ってる理由はわかってる。
全部私が悪い。
でも彼は大人だから子供を宥めるかのように私に話しかけるのだ。
なんだかそれが悔しくて仕方なかった。
だからごめんなさいなんて言いたくなくて、逃げ出してしまった。
本当に自分って子供だ。なんて醜いんだろう。
「A、本当のことを＿_「わかんないってば！」っ、おい…！」
ドアを使って違う場所へとワープする。
また逃げてしまった自分が憎い。
私がこんなのだから彼だって子供扱いするし特別に見てなんてくれないんだ。
わかってる、わかってるのに。
唇を強くかんで涙をひと粒零した瞬間だった。
「…隙を見せたな」
さっきと同じようにフードを引っ張られて、声を発した彼の胸に収まった。
「え、ルチアーノさん…なんで…」
「私がこれを持ってるのを忘れたか？」
「あ…テレパス…」
「私から簡単に逃げられると思うな。さて、言うことはないか？」
テレパスの驚きでとまったはずの涙がまた溢れだした。
「ご、めんなさい…私、ルチアーノさんの、棺勝手に開けちゃってっ…それで、それでっ……」
「最初から素直に謝ってくれればいい」
真っ白な新品のハンカチで涙を拭ってくれる彼。
「あんまり好きな奴には怒りたくない。優しい私でいさせてくれ」
「え、い、今なんて…」
「私は二度も同じことは言わないからな」
そう言って大きな手で私の頭を撫でると、いつもとは違う優しくて甘い瞳が目に映った。
*☼*―――――*☼*―――――
ドアで逃げたところをテレパスで追いかける、という素敵な案をギルドの方からいただいたので書かせていただきました！
素敵な案ありがとうございます…！
素敵な案をくれた夢羽さんの作品↓
プレイヤーが【#コンパス】の世界へ行...
素敵な作品ですので皆さんぜひ読んでみてください(*´▽｀*)
堕ちちまいな＊°.13 サーティーン→←クリスマス＊°.アダム＝ユーリエフ
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_Kanon_ - すみません、ギルド加入よろしいでしょうか？結構前みたいですが入りたくて.......一応S1です。 (2019年10月20日 20時) (
レス) id: 79b232c133 (このIDを非表示/違反報告)
碧夢(プロフ) - めのうさ。さん» お返事ありがとうございます！勿体無いだなんて…！本当に思ったことだったので！(^O^)こちらこそ、めのうさ。さんに読んでいただけているなんて恐縮です…！ありがとうございます！お互い頑張りましょう……！ (2018年1月6日 3時) (レス) id: 0cb86b5809 (このIDを非表示/違反報告)
めのうさ。(プロフ) - チビ猫さん» ありがとうございます！チビ猫さんにはたくさんコメントをいただいて支えられた場面がいくつもありました…！とても嬉しかったです！新作も頑張らせていただきます…！ (2018年1月5日 18時) (レス) id: 4feba7dbf8 (このIDを非表示/違反報告)
めのうさ。(プロフ) - 碧夢さん» そこまで言ってくださると、私も書いてきてよかったな…と思えます！私にはもったいない言葉の数々ですが、そう言ってもらえると心から嬉しいです…！読んでいただきありがとうございます！余談ですが、私も碧夢さんの作品読んでます！これからも頑張ってくださいね！ (2018年1月5日 18時) (レス) id: 4feba7dbf8 (このIDを非表示/違反報告)
めのうさ。(プロフ) - heartさん» こちらこそリクエストありがとうございました！勝手に落ちの話にしてしまい申し訳なかったです…。そう言ってもらえたら嬉しいです！ (2018年1月5日 18時) (レス) id: 4feba7dbf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めのうさ。 | 作成日時：2017年10月8日 20時
