一通のお便りが届きました。【zm】 (ページ24)

今日:15 hit、昨日:1 hit、合計:10,341 hit

お便り5:醜き仮面を被る。ページ24

『えっと…それは……。』

tn「ゾムばっか由美さんと仲ええのずるいもん。」

『ふふっ、可愛いわね。』

学級委員の彼も意外と子供っぽいものなのね。

tn「あ、やっと笑ってくれた。」

えっ、『笑った…？』

tn「うん、朝からずっと由美さん辛そうな顔しとったから笑ってくれて良かったわ。」

…ゾムにも気づかれなかったのに、組織も無関係の人には手を出さないし一緒の方が安全なのかもな。

『ありがとう､それじゃあ厚意に甘えさせて貰おうかな。放課後一緒に帰ろうか。』

tn「あんがとな、由美さん。」

？「なんや、トントン女を口説いとんの？童貞のくせにwww」

tn「うっせえわ、由美さんに失礼やろ!!ってお前も童貞やないか！何言うとんねん!!」

『良いわよ、凄く仲いいのね。そうねえ、昇降口で待ってるわ。』

随分と醜い女になったわね私も、厚意をそんな風には扱うなんて。

『あ、あと由美さんだとなんだか堅いから由美でいいよ。』

tn「そんじゃあ由美と呼ばせて頂きますわ。俺もトントンでええからな。そおいやちょっとやる事があんから少し経ってから昇降口に集合しますわ。」

ふー、この学校はいい人達がたくさんね。何処でも笑いで溢れている、一般的な学校と比べても比にならない”嫉妬や憎悪”が少ない。むしろ無さすぎてちょっと怖いけど……。そろそろ昇降口に向かわないと。

あれ､トントンさんが誰かと話している？

『どうしたのトントン？』

一瞬だけ怖い顔をしたけど、すぐいつもどうりの顔に戻った。

tn「ん？なんでもないで。委員の人に伝言を頼んだだけや、ほな帰ろっか。どっか行きたい所とかある？あるなら優先したいけど……。」

あー、どうしよう。ここでゾムの家なんて言ったら明日が無いわね。うーん、

『トントンのオススメな所とかある？まだこの土地に慣れてなくて…。』

tn「あー、せやな。由美来たばっかりやったな。うーんオススメかあ、せや！あそこはどうやろう。」

『あそこって…？』

tn「まあそれは着いてからの楽しみや。」

どこに行くのかしら。この辺で観光スポットなんてあったっけ？

tn「少し歩くけど知る人ぞ知るいい所なんや、きっと由美も気に入るで!!」

無邪気な顔…ゾムとは違った素敵な笑顔ね。

………不思議ずっと見てたいと思うのはなんでなんだろう。

どのくらい歩いたのだろう。気づいたらそよ風が顔の横を横切った

(ふわっ)

目の前には見た事もないぐらい沢山の花達が咲き誇っていた。