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｢じゃあ、解くよ｣
｢………はいっ｣
｢そんなに、寂しそうな顔をしないで？｣
返事をしなくちゃ。
そう思っても言葉が詰まって出てこない。
そんな様子に眉を下げて軽く微笑むけど、もう時間切れだと言うようにお師匠さまが杖を振るう。
瞬間、濃淡に富んだ光がボクを包み込む。
あぁ、ボク、男の子に戻っちゃうんや。
それは、お師匠さまとの恋の魔法もとける合図。
ねえお師匠さま。
全て元通りというなら、ボクの恋心も綺麗さっぱり消してくれませんか？
なんて、そうしたらボクは、お師匠さまを知らないボクになっちゃうな。
寂しくて、切なくて、どうしようもなく苦しい。
自分からとめどなく流れて行く雨粒のようなそれを見たくなくてぎゅっと瞼を閉じる。
｢もう、魔法はとけてしまったよ｣
その声に目を開けると、お師匠さまが切なげに、美しく微笑んでいる。
そうか、もう魔法は終わったのか。終わる時はあっという間……でも、やっぱりボクはまだ…
…あぁ、とけない魔法をかけるなんて、酷い魔法使いやね、お師匠さま。
伝えたいことや聞きたいこと…たくさんあるけど、体がどんどん重たくなって意識が飛んでしまいそう。
それでもなんとか、これだけは伝えたいねん。
｢お師匠さま、ボク、魔法がとけてもあなたのコト……｣
閉じゆく視界の中、お師匠さまの指がキラキラと軌道を描きながらボクの鼻先に触れる。
すると睡魔がもっと大きくなって周りの景色全てを巻き込んでいき、振り絞ったその言葉を最後まで紡ぐことは叶わなかった。
”すべてとけても、君はかならず＿＿＿＿”
聞き返そうという思考はもはや動かず、目も開けていられないほどの眩さと強い魔力に引きずられるままボクは暗い意識の海に沈んでいった。
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いちすけ(プロフ) - お返事ありがとうございます！わかりました^_^この小説とても好きなので更新再開楽しみに待ってます(°▽°) (2018年6月16日 21時) (
レス) id: d040b6979e (このIDを非表示/違反報告)
杏子(プロフ) - いちすけさん» こんばんは。閲覧ありがとうございます。続きは編集中の為パスワードが掛かっております。更新再開まで少しお待ち頂ければ幸いです！ (2018年6月16日 5時) (レス) id: f0bc5c27fe (このIDを非表示/違反報告)
いちすけ(プロフ) - こんばんは。続きが見たいのですが、パスワードはどうやったらわかりますか？>_< (2018年6月15日 21時) (レス) id: d040b6979e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りとる☆★杏子 | 作成日時：2017年7月29日 3時
