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「コレが番を持つ者の証。番によってアザの形は違う」



そう言って愛おしそうに薬指をアキトくんと擦り寄せる。

じゃあ、お師匠さまにもボクと同じアザがあるのかな。



「それと、いくらキスしたって互いに想い合ってなきゃ番は成立しねーから」

「想い合う…」

「そう。だからお前が不安に思ってるような事はまずありえねえよ」

「え?」

「自信がないとか、釣り合わないだとか」

「……そ、ですかね」

「はぁ〜、めんど。ここでうじうじしてたってしょうがねぇだろ。本人に聞いてこいよ」



そやそやー!って加勢するアキトくんは、次にはフウマさまの小脇に抱えられていて、驚いた顔。

きっと魔法を使ってるんやろうけど、それでもあまりのスマートさにボクもびっくり。



「おっ…おおお?!ふ、まさま!おろして!」

「やだ。もう帰るし。いいよなトモ?」

「えあっ…は、はい!」

「あいつにちゃんと聞けよ」

「はいっ…フウマさま、ありがとうございます」

「…別に。借りを返しただけだから」



アキトくんもありがとうって声が届いたか届かないか、ひらっと手を振り返してくれたのを最後に二人は黒い霧の中へ消えていった。


シンと静まった部屋で、ボフッとソファに沈む音が響く。

ちゃんときく、かぁ。

…とりあえず、お師匠さまの指に番の証があるか確かめてからにしよかな。


ボクの指に証があるにはあるけど…自分に、自信を持てないから。



「…お師匠さま、どこにおるかな」

「呼んだかい?」

「わっ…?!あ、っびっくりした」

「ふふ、ごめん。そろそろかなって呼びに来たんだけど、ぼーっとしていたから」

「すみませ…あっアキトくんは今帰られました!ボクもすぐ実験に…」

「待って」



立ち上がろうと込めた力はお師匠さまの指先一つで消えていく。

そうしてソファへ逆戻りしたボクの隣にお師匠さまが腰をかけた。



「トモ、何か変だ」

「え…」

「君はいつでもまっすぐにオレを見てくれるのに、今は視線が一つも合わない。……フウマに何か言われた?」

「なんで…フウマさまが来たって、」

「この城内くらいなら、気配で分かるよ」



優しく頬を撫でられて、どうしたの?なんて甘く囁かれたらボクはもうタジタジで。

そっとお師匠さまの左手に触れると、にっこり笑顔で指を絡めてくれる。



「…お師匠さまの薬指に、ボクはいますか?」



なんて、遠回しな言い方。

これがボクの精一杯なんやけど…ちゃんと伝わるかなぁ。

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いちすけ(プロフ) - お返事ありがとうございます!わかりました^_^この小説とても好きなので更新再開楽しみに待ってます(°▽°) (2018年6月16日 21時) (レス) id: d040b6979e (このIDを非表示/違反報告)
杏子(プロフ) - いちすけさん» こんばんは。閲覧ありがとうございます。続きは編集中の為パスワードが掛かっております。更新再開まで少しお待ち頂ければ幸いです! (2018年6月16日 5時) (レス) id: f0bc5c27fe (このIDを非表示/違反報告)
いちすけ(プロフ) - こんばんは。続きが見たいのですが、パスワードはどうやったらわかりますか?>_< (2018年6月15日 21時) (レス) id: d040b6979e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りとる☆★杏子 | 作成日時:2017年7月29日 3時

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