6 ページ21
｢……みんな、ほんまにごめんなさい…｣
｢え、なんで謝るの？練習なんだから失敗するの当たり前じゃん！｣
｢…それは…そ、やけど……｣
ニコニコと笑うソウさんに後から後からいっぱい罪悪感が襲ってくる。
…俺がここに来なければ、みんなを危ない目に合わせることはなかったのに。
｢おい、余計なこと考えてんじゃねーだろうな｣
｢おししょ、さま。やって…おれ、こんな簡単なことも出来へん。ほんまに役立たずで、｣
｢こうなるのは予測できてたっつの。慣れが必要って意味分かってんのか？それを扱えないのは当然だろうが｣
荒い言葉やのにどこかなだめるような口調で言いながら、お師匠さまが俺の頬に向けて適当に杖を振るうと、冷気が傷を覆う。
なんでみんな、俺なんかに優しくするんやろ。
｢あの、もう練習は…俺ひとりで｣
｢はぁ？させるわけねえだろ。さっきのだってソウがとっさに炎の威力を弱めたからやけど一つで済んだってのに、お前ひとりじゃ命がいくつあっても足りねぇよ｣
｢でも、危ないのに巻き込ませたないです…！俺なんかを拾ってくれた二人や、俺なんかのとこにきてくれたジュンタくんが大事やから…っ｣
｢あっくん、俺らだってあっくんのこと大事なんだよ。だからさぁ、もっと頼ってほしいな。一人でだったら今までと何も変わらないじゃん？でも、俺たちと一緒なら、できる。絶対できるよ｣
ソウさんの言葉に、うん、と力強く頷くジュンタくん。
みんな、そんな風に思ってくれてるん？
｢頼って、ええんですか…？｣
｢良いに決まってんだろ。その為に俺らがいんだから。つか、二度と”俺なんか”って言うんじゃねえぞ｣
｢え…｣
｢お前の才能を見込んで拾った俺に喧嘩売りてぇなら別だけど｣
｢そ、そなこと…！！｣
｢ていうかさ、たった一回の失敗でめげすぎ。良いもん持ってるって言ってんだからもっと自信持てば？さっきの炎だって、俺はかなり良……や、何でもねぇわ｣
｢なん、えっ…途中で辞められたら気になるやないですか！｣
｢うるさい！良いからさっさと新しいローソク持ってこいよ！｣
急に真っ赤になったお師匠さまと、楽しそうにしている二匹に背を押されローソクを取りに出た。
俺はほんまに、ええ人たちに出逢ったなあ。
早く上達して、みんなに恩返ししよう。
その為に、とにかく今は練習あるのみや。
棚の中からローソクをたくさん取り出し、強い決心とともに踵を返した。
to be continue
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 187人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちすけ(プロフ) - お返事ありがとうございます！わかりました^_^この小説とても好きなので更新再開楽しみに待ってます(°▽°) (2018年6月16日 21時) (
レス) id: d040b6979e (このIDを非表示/違反報告)
杏子(プロフ) - いちすけさん» こんばんは。閲覧ありがとうございます。続きは編集中の為パスワードが掛かっております。更新再開まで少しお待ち頂ければ幸いです！ (2018年6月16日 5時) (レス) id: f0bc5c27fe (このIDを非表示/違反報告)
いちすけ(プロフ) - こんばんは。続きが見たいのですが、パスワードはどうやったらわかりますか？>_< (2018年6月15日 21時) (レス) id: d040b6979e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りとる☆★杏子 | 作成日時：2017年7月29日 3時
