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｢俺が一番高い言うてるとこ、ここやねん｣
久しぶり、と言っても多分10分ぶりくらいの大毅の声に返した相槌はカラカラと渇いて聞き取りにくかったと思う。
空気が薄いし、上を見ると真っ暗で吸い込まれそうやし、なんとも不安になる場所や。
｢智洋？俺ちゃんと支えてるから、風の上立てるで｣
その言葉が、降り立ってみ？の回り道やって分かったけどここは不安で怖いし、さっきのこともあって俺は大毅の背中にさっきより力を込めて無言の否定。
｢ふふ、怖い？｣
｢……｣
｢俺も初めてここ来た時、怖かった。�霤沈萓犬紡腓�い仕事やからなって脅されてから来たんでずうっと緊張してたし、それやのにリュウは何やよう分からん事ばっか言うて集中させてくれへんし…天気が悪いから照史も本調子やなくて、もう散々やったんよ｣
｢…大毅でも、緊張するんや｣
｢そりゃあするで、なんなら今も｣
｢今も？なんで…？｣
｢……まぁ、それは今ええの。とにかくさ、そんな散々やったとき、俺のこと励ましてくれたんが智洋やったんよ｣
｢俺？…え、なんも記憶ないけど｣
そうやろうなぁ…なんてくしゃりと細められた瞳に、俺の全身が｢熱い！｣と叫びだしそうなほど震えた。
何これ、何その顔。俺のこの気持ちも、なに。なんやこれ。
｢何もしんと、もう降りてまおうかって下向いたらでっかい虹がかかってん｣
｢にじ…｣
あの日だと思い出すのは簡単やった。やってその日は、俺の特別な日。
自分の力で一番高く飛んで、一番楽しくて、ええ仕事をした日。
｢まんまるな虹の中心でさ、楽しそうにしてる智洋見たらもうっ…居ても立っても居られへんで！｣
そこにお星様でも住んでいるんやろうか？そう思わず覗き込んでしまうほど大毅の瞳はキラキラと輝く。
綺麗。そんな綺麗な顔させてるの、俺やの？
｢やから俺こっから真っ赤に空を塗ったんや。赤い空にでっかい虹でみんなは不気味やって言うたけど、｣
｢俺は、きれいて、思てたよ｣
｢…うん、綺麗って顔に書いて見上げてくれてたから、知ってる｣
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作者名：杏子 | 作成日時：2017年12月30日 14時
