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｢春近し、俺は眠ろう｣
淳太と入れ替わるように帰って来て、開口一番。
照史の妙な口ぶりに思わず苦笑いしつつも、無事に帰ってきた事にひとまず安心。
｢まったく…なーにカッコつけてんねん｣
｢カッコええからしゃあないやん〜｣
そう言いながらその場でくるりと回ってみせた照史。
智洋の仕立てた白寒椿をあしらった着物は出発の頃に比べるとだいぶゆったりと着られている。
まぁ確かに、悪くはない。けどウチにはもっとええのんが揃ってるからなぁ。
｢照史それ、流星たちの前で言えるか？｣
｢失礼な！言えます〜｣
｢あ、照史、荷物預かるで｣
｢お、ありがと〜。って無視せんといて！｣
｢あはは、元気やなぁ｣
｢せやろ？あっ、写真いっぱい撮ってきたから見てみてな｣
｢みるみる！！今年の冬はどんな景色かなっと〜｣
照史が着物を崩して部屋着に変えてくる間、渡していたスマホの写真フォルダを開いた。
一面の銀世界や、白くめかし込む椿の花。
うん、今年もええ景色や。
｢ふい〜、お待たせ。�陲舛磴鵑�願いできるか？｣
｢おん、すぐやったるわ。ここ座っといて｣
口先だけは元気でも、体はかなり疲れてるはず。
たった今、冬を巡らせ終えたばかりやもん。
休ませたる為にも、早いとこ眠らせたろう。
｢すこーしだけ、目ぇ閉じててな｣
｢おん｣
左耳のピアスに触れると、しゃら…と控えめな音が耳を掠める。
ゆっくりおやすみ。と口内だけで呟いて、もう片方で照史の頬に触れた。
するとそこからほんのり暖かな光が伝わり、ピアスへ辿り着くとそのまま中へ収まっていく。
｢おっきく息吐いたら、水晶見て｣
俺の言葉通りにふうっと息を吐ききってから、ゆっくり目を開きピアスを瞳に映した。
照史のレンズに映るピアス…もとい水晶が冬色をしているということは、無事に眠りについた証拠。
｢よし、こんなもんやね！｣
｢ありがとぉ｣
智洋と対になるよう着けているこの水晶のピアス。
何においても、智洋と俺はふたりでひとつなんや。
この能力やってそう。
智洋は四季たちのチカラを起こす能力を持ち、俺はそれを眠らせる能力を持つ。
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杏子(プロフ) - ebifuraistar73さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて嬉しいです！また少し待たせてしまうかもしれませんが、ゆっくり更新していきますのでこれからもよろしくお願いします！ (2018年3月13日 14時) (
レス) id: f0bc5c27fe (このIDを非表示/違反報告)
ebifuraistar73(プロフ) - 待ってました！公開する季節、ぴったりですね。ありがとうございます。 (2018年3月13日 6時) (レス) id: 747d322e1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏子 | 作成日時：2017年9月6日 19時
