女子が苦手な男子と男勝りな女子。【WT】 (ページ36)

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33話ページ36

辻side

今日は防衛任務
退院して1日しか経ってないから休んでおけって二宮さんには言われたけど、調子がよかったから参加してる

氷見『辻くんと犬飼くんは西部地区よろしく
二宮さんは東隊と合流してください』

全「了解」

犬飼「辻ちゃん平気なのー？」

辻「はい、今日は調子良いので」

ふーん、と犬飼先輩が遠くを見つめる

辻「…あの、高坂の事なんですけど」

犬「えー？辻ちゃんまで？w
梨乃の事は本気じゃないって～」

辻「…それ本心ですか？」

犬「………どーだろうね、俺もよくわかんないや

…女の子なんて所詮みんな同じでさ、告られたら付き合うし飽きたら別れるし」

辻「でも高坂は違ったんですよね」

犬「……」

氷見『西部地区、門開きます！』

犬「ほらほら辻ちゃん行くよ～久しぶりなんだから俺がちゃんとサポートしてあげなきゃね！」

辻「…お願いします」

…

二宮『今日は終わりだ、俺は報告に行くから先に解散していろ』

氷見『お疲れ様でした』

お疲れ様でした、と通信を切る

犬「あーさっきの話の続き

辻ちゃんには適わなかったってだけだから別にそんな気にしてないよ
でも、泣かせたら…奪うからね」

ふふん、といつもの犬飼先輩に戻る

辻「…わかってます」

犬「んじゃ先戻ってて～俺ちょっとやることあるから」

1人になりたいって事だろうか

俺は素直にその場を去った

_______________

犬飼side

辻ちゃんが見えなくなったのを確認して、その場に座る

瓦礫の上からは建物から漏れた夕日の光が見える

いつから、好きになってたんだろうな

ネイバーが襲ってきた時？可愛くなった時？

いや、もっと前…初めて話した時か

自分を犠牲にしてまで他人を助ける女の子なんて、初めて見た
そんな梨乃に、いつの間にか惚れてたんだ

辻ちゃんと楽しそうに話す梨乃は俺のものにはならないって分かってた
分かってたけど、諦められなかった

それぐらい本気だったから

犬「あーあ、好きだったな…」

そろそろ戻らないと、と腰をあげる

空は青くなり始め、星が輝き出す

俺は仲間が待つ本部へ小走りで向かった