雨女系歌い手は姿を消しました【utit】

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『…"至急天界に戻ってきなさい。あの子が貴方に謝りたいんだそう。1週間後には戻らないと、貴方は神としての資格を失う。"』





天界の母からだった。
神としての資格を失うと、私は天界でも生きられなくなる。
天界に行けない場合、どこへ行っちゃうかというと。





『1週間以内に戻らないと、今度は地獄に突き落とされる。』





地獄は、その名の通り"地獄"だ。

まずは髪を全て刈られる。それから皮膚が爛れるまで炎に炙られながら瞑想をし、お風呂も入られずご飯も1ヶ月に1回出ればいい方で、欲望を口に出すとマグマに3週間沈められる。


どんなに辛くても死ぬことは出来ず、ただ苦痛に耐え続けなければならない。所謂"拷問"。





「どうやって、その…天界に帰るの？」





まふくんが口に出す。
そんなの、1個しかないでしょ？と私は笑いながら言った。





『＿＿＿＿＿死ぬんだよ。死ねば戻れる。』



「…っ、ふざけんなよ…！」





たぬくん。
怒りに満ちた目で私を鋭く睨んでいる。





「お前、悪くないじゃん。悪いのは全部その友達だろ？なのに…なんで、っ、なんでお前が…っ！」





"苦しまないといけないんだよ"





私の方が思ってる。なんで私がって。なんで私ばっかりこんなに苦しまなきゃいけないのって。
…でも、もう諦めたから。

お別れの覚悟は決めたからさ。
だから、そうやって揺るがさないでよ。

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