第46話 夢……? ページ3
「ん……」
変な夢を見た気がする
私はムクリと起き上がると、まだボーッとする頭でそのまま布団を見つめた
「起きたか」
「……炭治郎?」
横から声がして振り向けば、笑顔でタオルを絞る炭治郎が居た
「来なくていいって……言ったのに……」
弱々しい声でボソボソと呟く
豆なんかを畳にぽつんとほおり投げる様に呟かれた一言にも、炭治郎は笑って答える
「好きな人が寝込んでいるのに、駆けつけない訳に行かないだろう。タオル変えるぞ」
そう言って私を寝かすと、しっかり絞られた冷たいタオルが私の額に乗った
なんか、さっきも似た様な事があったような
てかサラッと格好良いこと言わないでよ
赤くなった頬は熱のせいという事にしよう
「……ねえ、善逸が居なかった?」
炭治郎が来る前に、善逸が看病をしてくれたと思うんだけれど
「善逸? 見てないが……」
眉を下げ、うーんと頭を捻り考える仕草をする
「そっか、分かった」
夢だったのかな。
善逸が久しぶりに優しかったのに。
あれは私の願望??
……あんな所を見られて善逸が私に優しくする訳ないか
「カナヲ達も来ていたんだがAが起きる前に帰ってしまってな」
思い出した様に炭治郎は言った
そうか、2人も来てくれたのか
優しいなぁ、本当に良い友達を持った
「あれ……」
ふと見た所に、ある物が落ちていた
「どうしたんだ?」
「あ、ねぇ。それを取って貰えない?」
私は今ベッドにいるから取れなくて、近くにいた炭治郎に頼む事にした
「これか?」
ひょいと炭治郎が拾い、私の手に乗っけた
手に乗った物は黄色くて、可愛らしい兎のキーホルダー
前に私が善逸にあげたもの……
「善逸……来てくれたの?」
あれは夢じゃないのか、善逸が私に笑ってくれたのは
何だかもどかしい気持ちになる
気持ちがじりじりして仕方がない
「炭治郎、善逸が看病に来てくれてたみたいなの、夢じゃなかった!」
笑顔で炭治郎の顔を見た
何時も笑顔な炭治郎の顔は酷く怖くて
口元は笑っていないし目は赤黒い
「炭治……郎?」
「A」
私の視線に気づくとにっこり笑った
何時も通りの、優しい笑顔で
「良かったな!善逸の匂いはしないが……落し物があるならきっとそうなんだろう」
「う、うん!」
ぎこちない返事だが、私は無理やり口角を上げ言った
―――偶に、炭治郎が怖い
▽▽▽
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まいまい(プロフ) - 更新待ってます (2021年1月14日 22時) (レス) id: ab72577554 (このIDを非表示/違反報告)
pooky - 面白い!続きが気になる! (2020年10月20日 6時) (レス) id: 012e567f90 (このIDを非表示/違反報告)
しおりんご - うぅ!続きが気になる! (2020年10月12日 0時) (レス) id: b3900f2f00 (このIDを非表示/違反報告)
sayakanohimawar(プロフ) - とっても面白いです!他の方が仰られるように、どハマリしますね!学校帰りに見つけて、読み始めて、気づいたらもうこんな時間!?ってなりました。。できれば早く続きが見たい!!です!更新よろしくお願いします!!頑張ってください! (2020年7月16日 17時) (レス) id: d2b0ff775b (このIDを非表示/違反報告)
MIKA(プロフ) - ありがとうございます!見てみたら本当でした……寝ぼけてたんですかね、御報告助かります(泣) (2020年6月4日 19時) (レス) id: dd92ad6562 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MIKA | 作成日時:2020年4月25日 10時