第28話 夢を見たい ページ38
「恋の呼吸 参の型 恋猫しぐれ」
私の刀は長くて、極めて薄い。そのため自身でさえ扱うのか難しいし、広範囲に切りつけるため、自身は勿論味方をも切りつけ兼ねない技だ
その為、技を使うには繊細な注意が必要である。
「(偽物と本物の区別も付かないなんて、私……)」
正直な所、まだ幸せな夢を見続けていたかった。
仕方が無いのだ、この少女に限っては。
母の愛を知らないで育ってきたから。どうしても、偽りの愛でさえ求めてしまう。
人間の甘い所が弱いのだから
「きゃっ……」
いけない、技を出しているのに余計な事を考えてしまった。早く助け出さなきゃ
そう思っていたのに、刀を持っていたAの腕は鬼の肉に絡めとられてしまう。
しまった、そう思う時には遅かった。
次に足、両手、腹と、次々に呑み込まれていく。
「鬼に食われそうになってんじゃねーよ」
「……伊之助？」
前で戦っていた伊之助が、Aに纏わり付いた肉を切り裂いてくれた。そのため掴まれていた腕も無事だ。
「あ、ありがとう」
「ちゃっちゃと終わらせるぞ！」
うん、と返事を返す間もなく鬼を斬り終わった伊之助は私の腕を掴んで列車の上へと乗っかった。
▽▽
煉獄さんの指示を受け、私は伊之助、炭治郎と共に鬼の頸を斬りに走った。
着くなり車掌さんが喚いたが気にしないで鬼の頸を探す。
が、出てくる腕の量が多くて、伊之助が囲まれてしまった。
「恋の呼吸 弐の型 懊悩巡る恋」
螺旋状に伊之助を取り囲む腕をきっていく。
さっきの恩返しだ。
「二人共！ この真下が鬼の頸だ！」
着いた炭治郎が匂いで鬼の頸を当てた。
伊之助が切りつけると、出てきたのは頸の骨。
これを引裂けば鬼は死ぬ。
「恋の呼吸……え」
炭治郎と共に技を出そうとしたら、大量の腕に塞がれてしまいタイミングを逃す。
何度切りつけても再生が速いため直ぐに復活する。
「A、伊之助！呼吸を合わせて連撃だ！
どちらかが肉を裂くんだ、そうしたら誰
が頸を斬れ！」
炭治郎が名案を出す。私はわかった、と返事をして、息を吸った。
が、血鬼術を仕掛けられてしまい意識が飛ぶ。
「頸だ！ 夢の中で自分の頸を斬れ！」
最後に言われた通り、目も開けずに頸を斬った。
目を開いてしまったら、また直ぐに戻りたくなってしまうから。
斬っても斬っても目が合ってしまい、現実と夢の境目がわからない。
危うく死にかけた私と炭治郎を、伊之助が助けてくれた。
「つまらねぇ死に方すんな!!」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 133人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆう(プロフ) - すきです！！？！！、！！！！！！ (2020年3月25日 16時) (
レス) id: 9e2e290c18 (このIDを非表示/違反報告)
MIKA(プロフ) - ゆうさん» 駄作ですが嬉しいです(*^^*) おかげで更新頑張れます！ (2020年3月23日 17時) (レス) id: dd92ad6562 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - このお話好きすぎてやばいです！！きゅんきゅんします！！！ (2020年3月23日 16時) (レス) id: 9e2e290c18 (このIDを非表示/違反報告)
MIKA(プロフ) - ゆうさん» わぁぁぁありがとうございます(泣)コメント嬉し過ぎてにやけ止まりませんほんと、素敵なコメントありがとうございます！これからもこの作品をよろしくお願いいたします(*^^*) (2020年3月23日 0時) (レス) id: dd92ad6562 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - どきどきします>_<すてきです！！ (2020年3月23日 0時) (レス) id: 9e2e290c18 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：MIKA | 作成日時：2020年3月21日 2時
