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第11話 初任務-誰だよ- ページ14

大分傷が癒えてきた、よかった。

「有難う……」

善逸が申し訳なさそうに眉を下げる。私は気にしないで、と言い後ろを向く。

「たん、じろ……」

猪はやけに体が柔らかく、手を付き足を使って炭治郎の顔を地面に叩きつけた。

「も、だめ……」

まだ意識がはっきりしないが、炭治郎と猪を止める為に歩く。

「!? A、駄目だ!」

炭治郎がそれを止めた。

「……A?」

猪は私の名前を聞くなり此方に振り向く。

「猪、君、肋やって、なら、駄目だよ」

肋をやっているらしいのに柔軟を始める猪を止める。

凄い体制だ。

猪は普通の体勢に戻ると、ズカズカと歩み寄ってきた。

「お前、今まで何処行ってやがった!!」

私の肩を掴み、ガンガン揺らす。

頭が揺れてとても痛い。

炭治郎が止めろ、と引き剥がしてくれたお陰で助かった。

お前には関係ねェ、と蹴りを入れ出す猪の頭を、炭治郎は頭突きをする。

すっごい音。

猪は蹌、猪頭が取れる。

中からはとても整った顔立ちをした女が。

長い睫毛から覗く翡翠色の目を見ると、どこか心臓が痛くなった。

叫ぶ善逸に、文句あるかと問う猪。

俺? え、男?

頭が回らなくてわからない。

すぐ又炭治郎と言い合いを始めた。

「俺の名を教えてやる、嘴平伊之助だ!」

伊之助……?
聞き覚えがある気がする、なんでだろ

字を聞いている間に止まった猪は白目を剥いて倒れた。

私も意識が限界だった、善逸を治してから時間差で私に痛みがくる。

もう、無理だなと私は目を瞑る。又もや意識は途切れた。

▽▽

瞼を開くと、炭治郎の羽織が被っていた。

善逸の羽織もある。かけてくれたのかな。

「炭治郎……?」

奥には猪を含めた皆が死んだ人を埋葬していた。

丁度終わったらしく、何も出来なかった自分が憎い。

皆は起きてくれてよかった、と笑ってくれた。

正一君達のお兄さんは見つかったらしい。よかった。

猪はまた私に近づく。 思わず後退りする。

「……おい」

「は、はい」

ずいっと被り物を取り、顔を近づけてきた。

「俺を置いて、なにしてたんだよ」

柳眉が眉間に寄り皺ができる。

綺麗な目に睨みつけられる。

「なにって、言われても。私貴方と会ったこと、ある?」

猪は丸い目を更にまん丸くさせた。

「は、」

「Aー! 伊之助ー! 山を降りるぞー!」

ぽかんとした顔をする伊之助から逃げる様に炭治郎の元へ走った。

胸がチクリとしたが、気にしない振りをした。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 嘴平伊之助 , 竈門炭治郎   
作品ジャンル:恋愛
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ゆう(プロフ) - すきです!!?!!、!!!!!! (2020年3月25日 16時) (レス) id: 9e2e290c18 (このIDを非表示/違反報告)
MIKA(プロフ) - ゆうさん» 駄作ですが嬉しいです(*^^*) おかげで更新頑張れます! (2020年3月23日 17時) (レス) id: dd92ad6562 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - このお話好きすぎてやばいです!!きゅんきゅんします!!! (2020年3月23日 16時) (レス) id: 9e2e290c18 (このIDを非表示/違反報告)
MIKA(プロフ) - ゆうさん» わぁぁぁありがとうございます(泣)コメント嬉し過ぎてにやけ止まりませんほんと、素敵なコメントありがとうございます!これからもこの作品をよろしくお願いいたします(*^^*) (2020年3月23日 0時) (レス) id: dd92ad6562 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - どきどきします>_<すてきです!! (2020年3月23日 0時) (レス) id: 9e2e290c18 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:MIKA | 作成日時:2020年3月21日 2時

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