検索窓
今日:5 hit、昨日:2 hit、合計:119,237 hit

薬2 ページ25

Aside


今日は中原幹部が先に帰っている日だ。

せっかくなので私も早く帰ろう。

早めに資料を片付け、ビルを出る。



太宰「A」

足が震える。動けない。
どうして……?


太宰「ふふ、怯えた顔、久しぶりだなぁ。このまま連れて帰りたい。」


私「……っ離してください!」

腕を掴まれて、抵抗するも、男の人の力には敵わない。


太宰「良いことを教えよう。今帰ってはいけないよ。」

私「え?……」

と、固く閉じていた目を開くと、太宰さんは消えていた。



私は暗い帰り道、太宰さんの言葉が頭から離れずにいた。




家に帰ると、灯りもついていなかった。

私「た、只今帰りました……中原幹部……?」

寝室に行ってみると、中原幹部がぐったりした状態で壁に寄りかかっていた。


顔が赤くて息も荒い。


私「中原幹部?」


と、駆け寄ると、手で止められる。

中原「く……るな……はやく……ッハァ……にげろ……。」

逃げる……何から?


私「でも……中原幹部がしんどそうなのは放って置けません!」

手を伸ばすと、パシッと捕まれる。


その瞬間、ドサッと押し倒される。

いつもはこんなにいたくないのに、頭を打って痛みが走る。

尋ねる前にくち付けられる。長く激しい、欲望を口付けにしたような……。

私は、こんな口付けを、5年前から知っていた。


私「ふぅんっ……ゃら……中原幹部……」


呼んでも返事がなく、しかも、下からくる甘い味に、あの薬だと気がつく。


私「いゃ……はなしっ…………中也っ!」


目を瞑ってその愛しい人の名前を呼ぶ。


はっと、中原幹部は離れ、すまねぇと言った。


中原「太宰に薬を盛られた……。早く、今のうち……。」

私「そ、そんな!私に何か出来ることは……っ」

自分で言ってとんでもないことを言ってしまったと後悔する。

こんなの、抱いてくださいと言っているようなものだ。


中原「いや、俺は……っはぁ……




A…………いいか?」


私は頷いてしまう。
多分顔は真っ赤だろう。


寝台に運ばれ、ゆっくりと下ろされる。

怖くて怖くて、目を瞑ってしまう。


中原「大丈夫。優しくするから。」


と、中原幹部は頬に手を添えて微笑んだ。
まだ少し顔は赤いが、意識はあるようだ。


中原「だから……もう一度中也って呼んでくれねぇか?」

私「は、はい……


中也



大好き。」

薬3→←薬1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (84 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
194人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

紅月ミレー - ドSの中也様滅茶苦茶最高で良かったです(〃・ω・〃) (2022年2月28日 17時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
コバやん(プロフ) - 山吹桜さん» ありがとうございます!雰囲気出せたか心配でしたが嬉しいです!次の作品も是非よろしくお願いいたしますm(_ _)m (2018年7月8日 8時) (レス) id: 699da96965 (このIDを非表示/違反報告)
山吹桜 - 七夕良かったです!!次も楽しみにしています!! (2018年7月7日 22時) (レス) id: 6d19b82d66 (このIDを非表示/違反報告)
コバやん(プロフ) - ぬこさん» 私も終わりって気づいたのが入れ替わりの時なんですよね。早すぎて続編も考えましたが太宰さんバージョンを書くことにしました。そちらも是非よろしくお願いいたします!あと、たくさんのリクエストありがとうございました! (2018年7月7日 20時) (レス) id: 699da96965 (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ - 終わってしまうのは寂しいですが…次の太宰さんバージョン!が!ありがとうございます!!! (2018年7月7日 19時) (レス) id: 82432849a7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:コバやん | 作成日時:2018年6月19日 5時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。