未完成人【Fischer's】【S.R】 (ページ3)

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付いて行ったページ3

お祭り当日。集合場所は神社の入り口付近。知らない神社ではなかったため一安心はしていた。家で浴衣を着て神社へと歩いて行く。数年ぶりにはいた草履は違和感しか感じられなくて少し歩くのに慣れなかった。

神社の入り口に行けば既に彼女はいて。こちらを見て姿を見つけると場所を知らせるように手をこれでもかという程に思い切り振っていた。それを見て子供のようだと思いながら彼女に近寄った

梨花「もー！遅いよー！」

さすがは梨花。メイクも髪もバッチリ整えていた。僕はといえば普通の浴衣に団子にしてゆるく巻いた髪。メイクはナチュラルに仕上げただけ。

『ごめんね』

そんな彼女に苦笑を浮かべつつも謝ればわたあめを奢ってくれたら許すという謎の条件を突きつけられる。けれど遅れたのは自分の方であって反論する理由さえないと思った。

梨花「よし、行こ！」

梨花は僕の手をとると歩き始めてしまった。なれない土地とあまり好きではない人混みに若干の怠惰を覚えながらも目の前の彼女が楽しければそれでいいという考えも少しはあった。夏の夜は暑くも少しは涼しく家にいるよりは健康的なのだろうと思い自己完結をした

梨花「あ！あっちにわたあめ屋さんあるよ！いこ！」

『ゆっくり歩いてよ梨花...草履履きなれてないんだから〜...』

あまり履きなれてない草履に苦戦しつつも梨花のペースに合わせることはかなり難しい。その為にどちらかを我慢するとなると梨花にスピードを落としてもらうほうを頼むだろう。梨花がペースを落としてくれたことをありがたく思い僕は梨花と祭りを楽しんだ。