保健室の吸血鬼 (ページ6)

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5話ページ6

マサイside

ぺけ「ねぇねぇ、マサイ〜。マサイはさ、いつもこの時間にふらーっとどっか行くけど、どこ行ってるの？」

とある日の昼休み。ぺけたんにそう聞かれた。俺はFischer'sのメンバーの一人で、副リーダーでもある。そんな俺だが、みんなには隠していることがあった

『別にどこにも行ってねーよ。写真撮りいってるだけだからよ、笑』

俺が笑って誤魔化せば、ほんとにぃ、？と疑いの目を向けてくる。

『ほんとーだって』

ぺけ「ならいーけど。今日の放課後、シルクが土手行くって言ってたよ〜」

放課後に土手か。今日は確か予定はなかったはず。なら行く他はないな

『おー。んじゃ、行ってくるわ』

そう笑ってぺけに言い、俺は教室を出た。…いつもより少し遅くなったな…。あいつは遅い、って言って呆れるか、？はたまた笑うか、怒るか

そんなことを考えながら、保健室に向かう足を早めた。
＿＿＿＿＿

『失礼しまーす。……お、いたいた。また本読んでんのか』

ベッドの方へ行けば、本を読んでいる1人の女子が目に入る。俺が笑いながらいえばゆっくりと顔を上げて、瞳に俺の姿を捉えた

？「……マサイか。ちょっと遅かったね」

『悪い悪い、ちょっと同じクラスの奴と話してたら遅くなったわ』

彼女の名前は月影優奈。俺の1つ下の幼馴染。実際年齢でも俺の方が1つくらい上だから、この説明で問題ないだろう。

実際年齢というのは、この彼女には吸血鬼の血が流れている。という俺にも多少吸血鬼の血は流れており、彼女も俺も、お互いがそういうものだ、と知っている。

『、？その本って、優奈が前から言ってたヤツ？』

俺は彼女が広げていた本を指差していう。日本語とも英語とも言えない文字が書いてある。俺には読めるけど。

優奈「うん。色々と書いてあって興味深いよ」

そう言えば、本に栞を挟み、カーテンとベッドの仕切りを閉めた。すると動く彼女の口。きっと言われる言葉は決まっている

優奈「……おなかへった」

そうだと思った。学校は知っているのが俺しかいないため、無闇矢鱈に血を飲みに行けない。だからこうして昼は血を与えに来るのが俺の仕事だ