保健室の吸血鬼 (ページ4)

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3話ページ4

『終わり。なるべく動かさないことと、運動しないこと。』

数分経ったくらいで僕は指から手を離した。

？「サンキュー…俺、シルクロード。2年。あんたは？」

…2年か……

『……優奈。月影優奈。1年。』

テーピングを片付けながら告げる。この保健室は色々な薬品があるみたい。すごい種類の薬品が。

シルク「1年！？俺の一個下ってことか！」

驚きつつもそう言うシルクセンパイ。だが、今日だけしか関わらない僕には全く関係の無い人。とりあえず

『僕は今から用事あるんで……。失礼します』

そう告げて保健室を出ると、俺も行く！、となぜか付いてきた。何この人……めんどくさい

『……はぁ』

今日は厄日だ。
＿＿＿＿

僕が着いたのは図書室。図書室の扉を開けるとそこにはたくさんの本があった。

？「あれ？シルク。珍しいね？」

シルク「お、よっすモトキ」

カウンターの人と話すシルクセンパイを無視しつつ僕は本棚の奥の方へと足をすすめる。

『(噂だと、ここらへんのはず……)』

1冊1冊見て歩いていると、1つだけ不思議な文字で書かれている本を見つけた。その本に手をかけ、本棚から取り出せば、少し埃を被っている分厚い本が現れた。

『……これだ』

僕は早速カウンターにその本を持って行った

モトキ「これ借りるの？」

またか、みたいな顔をする。きっと本の題名が分からないから、カード記入が大変なんだろう。なんせ、普通の人間には読めない文字だからだ。

『”bloodsucker's Biography”』

モトキ「え、？」

僕が呟けば目を丸くするその人。

『……この本の題名。』

本を指さしていえばたちまち驚き、カードに慌てて記入していた。

『じゃ、僕はいく。』

本を持って僕は図書室から出た。さっきの英語、和訳すると吸血鬼達の伝記。僕達の世界から消えた1冊の大事な本だ。まさか、ここにあったとは思わなかった。

そんなことを思いながら、保健室へと目指した。