今の俺と、昔の俺【Fischer's】 (ページ13)

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11話ページ13

『…しつこい、俺はお前らとは関わるつもりなどない。』

頭の痛みは激しさを増す。頼むから、これ以上関わるな。身体が持たない。お前らの前で倒れるなんて無様なことは、したくねぇ。

「っ、俺は…！！」

「やめろシルク。……今日は、諦める。ただ、また絶対に頼みに行くからな。」

マサイの中断で、話が終わった。シルクは納得していないみたいだが、これでいい。

『…俺は帰る。』

振り向いて歩き出す。今日は色々とありすぎだ。何故こいつらに会った。なぜ……。

いや、そんなことを考える前に今日の動画だ。何を撮るか決めねぇと………。

そう考えながら歩いていると突然身体がぐらつく。

『(っ、ぁ、？…な、んだ……？)』

頭が、状況に追いついていない。……あぁ、そうか。俺は倒れたんだな。それなら、立たねぇと…

『(っ、からだに、ちから、はいんね、ぇ…)』

立ち上がろうにも身体はうまく動かず、視界も僅かに霞んでいる。頭はやけに働かず、息は荒かった。

『(も、う…無理だ……)』

俺は、そのまま目を閉じた。意識が薄れていく中、身体が宙に浮く感覚を感じ、うっすらと目を開けると、焦ったシルクの顔と、声が聞こえたような気がしたが、気のせいだ、と思い再び目を閉じ、意識を手放した。