2人のエースを支える君は【白布賢二郎】

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｢喧嘩はするな｣





試合前だろう。という牛島先輩。


幸い白布くんとの会話は牛島先輩と天童さんくらいにしか聞こえてなかったみたい。





｢すみません｣



と謝る白布くん。白布くんは何も悪くないのに。


私のわがままなのに。









｢じゃあね〜｣

｢はい、おやすみなさい｣






天童さんたちに挨拶をして、女子寮に向かう途中に呼び止められた。




｢A｣

｢白布くん…。ごめんね｣

｢何が｣





彼が怒っている原因、今回はわかっている。




｢練習試合のやつ。…応援してもらいたくないわけじゃないの。むしろ、応援はして欲しいんだけど…｣

｢…けど？｣





なんだか冷たい。
このままだと、試合見に来るまでもなく愛想つかされそう。





｢なに？ちゃんと言って｣

｢…｣

｢俺、どんな理由でも、馬鹿にしないでちゃんと聞くから｣



切なそうな顔でそう言われた。
よく考えたら、こんなことで嫌われて別れるとかそんなくだらないこと彼はしない。


不細工でも好きでいてくださいと努力するのが私だったはずなのに、彼を前にするとどうも可愛くいたくて弱虫になる。


可愛いと弱虫は違う。

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