顔を上げると、貴方は手を差し伸べた『ut』part2 ページ5
ut『……なんや、先生おらんのか？』
保健室のドアを開けると、いつもより静かでまるで人がいる様子がなかった、部活には遅れ、怪我をして…先生もいないなんて今日は運の悪さにも程がある
唯一の救いとするのならば、先ほどまでの光景を誰にも目撃されたかった事だけは良かったかもしれない…
A『あっあの、ここからは自力で…』
っと言っても聞く耳はもってくれず自分は保健室のソファーに優しくおろしてもらった
先生の机の上には"職員室に用事があるから1時間程対応ができません”と書いてある置き手紙が置いてあった…
A『当分先生は来ないのか…』
ボソボソと呟き…保健室の端に置かれていた自分の鞄を取りに行こうと無意識に日常の動作で立ち上がったのだが…
A『いっ……っ！！』
このくだりはいったい何回目なのだろうか…学習しない自分にも腹が立ちそうだ…
保健室に自分の痛みを押し殺した声が出る…その声を聞き目の前に立っている貴方は驚き、それと同時に焦り始める…
ut『まだ治療してもろてへんやろ！！…ええっと…』
そう言うと彼はしゃがみ自分の肩を貸し、ゆっくりと身体を起き上がらせてもらいソファーにまた座った…
.
A『すみません…下校時間もとっくに過ぎているのに…本当にありがとうございました。』
取り敢えず目的の場所にはつけたのだ、この後はここで1時間待たなければいけない…
助けてくれた彼の時間を奪うのも申し訳ないし…
ut『…ここで1時間待つなんて暇やろ？』
そう言うと彼は『隣ええか？』っと言い自分が座っているソファーの真横に座った…
A『……へ？』
ut『話し相手ぐらいにはなれるやろ？』
変な声が出てしまって慌てて口元を抑える…そう言うと彼はへにゃりと優しい笑顔を向けた…
A『……わっわかりました』
少し言葉が詰まってしまった…
今まで向けていた顔をそらすように目線を別の場所へと向ける…
制服のスカートの端をバレないように少しだけ握る…
微かに自分の心が揺れる感覚がした…
ut『じゃあ、なんの話をしよか…！』
.
.
A『………。』
開こうとした口を閉じる…
まだ学年も名前さえも聞けていないんだけどなぁ…
座っている距離よりもうんと長い、彼との距離を感じてしまいギュッと心が痛む音がした…
Valentine Story『zm』→←リクエストについて…
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みるくてぃー - 続編、おめでとうございます！更新、大変だと思いますが、頑張って下さい！応援してます! (2019年2月16日 1時) (
レス) id: 04fa715d74 (このIDを非表示/違反報告)
綺雨-kiu- - 続編おめでとうございます！！ これからも、のんびり、自分の調子で更新頑張ってください！影ながら応援させて頂きます♪ (2019年2月11日 23時) (レス) id: e5cf7f0445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：riyana | 作成日時：2019年2月11日 21時
