見えないヒーローになってみたい。『zm』part2 ページ35
zm「何か食べたいものとかあるん？…Aのお願いならバンバーガー10個ぐらい奢るとかなら容易いけど。」
A『あの…1個で大丈夫です。』
1個でええかんか？お腹すくで？と聞かれるのは日常茶飯事。
しかし、結局あれからも視力が戻る事はなく、前の世界が見えない私をゾムさんが背中にのせて街を一緒に歩く事が休日の日課となっていた。
zm「ん〜最近は忙しくてなぁ…中々側にいられへんくてごめんな？」
そう言い申し訳なさそうに言う彼であるが…
確かに日々の警察の仕事はとても大変そうで、休日であっても呼び出されたり夜中にも仕事が入ってしまったり…
丸々3日ほど帰ってこない日もあったりするのだ。
A『たまには1人の時間も作った方が良いですよ？』
zm「…それは嫌や！Aとの時間が優先って決めとるからな。」
と、彼は嫌々とわかりやすく首を振って決まったようにそう言うので『ありがとうございます。』と言うと彼が嬉しそうに笑う声が聞こえた。
.
zm「ん？…おーおーどうしたんや？そんなところで泣いて」
一応休日ではあるが警察でもあるので、遠くから子供の泣く声が聞こえたらしく直ぐに駆け寄るゾムさん。
子供「木の上に猫がいるんだけどね…僕じゃ、怖くて登れなくて…」
と、子供の言葉を聞いたゾムさんは…
「ごめんなA。一回下ろすで？」
と言い、私が他に足をつけるとゾムさんが勢いよく木に捕まる音が聞こえてくる。
zm「よっと…んー怪我はなさそうやな、なんや君も猫を助けるために頑張ったんやろ？」
「その気持ち大切にするんやで」と猫を渡しているのか子供はどうやら泣き止んだ様子であった。
子供「あのね！お兄さんがヒーローみたいに見えた！とってもカッコよかったありがとう！」
と純粋な言葉を向けて走っていく子供の足音を聞き安堵した自分がいたが…
zm「ヒーローか。なんだか…くすぐったい言葉やなぁ！」
と笑い照れ臭そうに言うが…
「ん、俺の背中はここやで」と自分の手を掴み誘導する彼に…
.
.
A『…私にとっても、ゾムさんはヒーローのような存在ですよ？』
と、不意に問いかけてみると…
.
.
zm「そんな存在になれたらええんやけどな。」
と、少しだけ辛そうな声が聞こえたが…
A『ヒーローでなくても、私はゾムさんが好きですよ。』
と言うと、「っ！！Aには、敵わへんな…」とまた照れ臭そうに彼の笑う声が聞こえるのだ。
※重要なお知らせ。『更新について』→←見えないヒーローになってみたい。『zm』part1
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みるくてぃー - 続編、おめでとうございます！更新、大変だと思いますが、頑張って下さい！応援してます! (2019年2月16日 1時) (
レス) id: 04fa715d74 (このIDを非表示/違反報告)
綺雨-kiu- - 続編おめでとうございます！！ これからも、のんびり、自分の調子で更新頑張ってください！影ながら応援させて頂きます♪ (2019年2月11日 23時) (レス) id: e5cf7f0445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：riyana | 作成日時：2019年2月11日 21時
