３周年記念『gr』Part1 ページ27
A『…あの…グルッペンさん』
gr『…ん、なんだ？』
恐る恐る尋ねるかのような自分の声。
目の前に見えるその後ろ姿はまるで、敵国の視察に来たスパイかのように自国の街中を見渡している…
その方は…
一国の総統…グルッペンさんである。
A『…きっ、今日は建国3周年の日でございますよ？』
何を分かりきっている話を振っているのだろうか、自分で自分に口を挟みたくなるようなものだ…
しかし、驚いたのは返ってきた回答が自分の予想を遥かに上回るものであったからだ
gr『…新作だ、新作ケーキの発売日なのだ！』
手に持ったチラシを広げそう話すグルッペンさんは、些かご機嫌で少年のように瞳を輝かせているように見えた
A『…ケーキ、でございますか？』
目の前に広げたチラシを見つめ
もう一度、聞き返すかのように質問するとコクリと頷いて自信に満ちた表情を向けるのであった。
.
gr『今から出掛ける、付いて来い。』
総統室に入った途端
コートとお店のチラシを片手に、席を立ちこちらへと歩み寄る…
特に何も返事を返す前に、持っていた書類は飛び散り
そのまま手は引かれては、廊下を駆け抜け…その勢いのまま館外へと飛び出した
.
gr『…しかし、警備が多いな』
目を細めて、ため息をつく…
歩く足を止めて人気のない街角の一角に身を潜めるように、グルッペンさんは座った。
A『……！』
周囲を警戒して見ている最中…
視線の横では、何も言わずに手招きをしている姿
自分はそそくさと近寄り隣に腰を下ろすと、ゆっくりと口が開いた
.
gr『…これからも、そばにいてくれないか？』
.
微かに吹く風に、なにもない空を見上げているように遠くを見つめる横顔を自分は見つめた
だがもう一度…もう一度尋ねる勇気は自分にはなく、ただ沈黙が流れていると
『いやっ…今のは忘れてくれないか？』
小さく首を横に振り
くしゃりと笑顔を向けて不器用に頭を撫でる手は何処か震えているようだった
A『…勿論でございます』
生意気だ…
恥ずかしさを消すために、“忘れてくれ”そう言われたはずだが自分はそれに逆らい言葉を言った
gr『そうか、それなら行こうではないか』
そう言うと、小さく笑い自分の手を掴む
その力は強く、どこか暖かく優しかった。
転びそうになる身体を支え、あたる日光に目を細め…
そのまま賑わう群衆の中に飛び込むように、駆け出した
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みるくてぃー - 続編、おめでとうございます！更新、大変だと思いますが、頑張って下さい！応援してます! (2019年2月16日 1時) (
レス) id: 04fa715d74 (このIDを非表示/違反報告)
綺雨-kiu- - 続編おめでとうございます！！ これからも、のんびり、自分の調子で更新頑張ってください！影ながら応援させて頂きます♪ (2019年2月11日 23時) (レス) id: e5cf7f0445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：riyana | 作成日時：2019年2月11日 21時
