3周年記念『shp』 ページ18
未だなくならない少し寒い朝の空気を吸うと改めて目が覚める感覚が流れる
館外のすぐ側にある中庭へと足を進め、ポケットに入れてある煙草を取り出して灰皿のある場所へと向かう。
shp『……。』
今日はこの国の建国記念日だ、館内の使用人は朝から大忙しで落ち着きのない空間がなんとなく苦手だった
今日も逃げるかのように中庭に足を運んでいたのだが…
今日はその足がぴたりと止まった。
A『……。』
歩く方向を変えて『A先輩…』と後ろからそう声をかけると、ベンチに座っていた先輩は小さく肩を揺らしこちらを向いた
A『…ショッピ君?』
shp『隣…ええですか?』
自分は手に持っていた煙草とライターを急いでポケット入れ、先輩の有無も聞かずに自分は横に座った…
A『もしかして…あの〜…』
自分が座るなり、申し訳なさそうな表情を浮かべつつそう言いながら先輩は煙草を吸っているようなジェスチャーを行う
それは先輩なりの気遣いだと思い、特に触れる気もなく自分は『まぁ…そうですね』と淡々返事を返した
A『やっぱり?…じゃあ私はこの辺で‥『吸いたい気分じゃないので』
shp『今日は吸いたい気分じゃないんで』
少し不思議な顔をこちらに向ける、自分は意味もわからない理由をこじつけてその場を去ろうとする先輩を止めた
貴方が煙草をあまり良いと思っていないのは重々承知である、だから吸うこともなく、手に持つこともなくポケットにしまった。
.
先輩と話す会話なんて他愛もない話だ、それでも時間はいつになく早く過ぎていく気がしてならなかった
A『さてと、仕事に戻らないと書記長さんに怒られちゃうかな』
shp『……。』
先輩は独り言のように呟き、席を立つ…
そのまま、『またね』と言いながら小さく手を振り、自分は段々と小さくなる先輩の背中をただ見つめていた
貴方と出会って自分は1年
その前にある2年間という、自分の前に空いた穴は自分では埋めきれられない。
先輩の姿が見えなくなり自分はポケットに押し込んだ煙草とライターを取り出す…
shp『美味しくない…』
珍しく、むせ返るような感覚がした
そんな自分を見たら…
『沢山は身体に悪いから!』なんて言われて怒られてしまうかもしれない
自分は呆れるように笑ってしまう。
一向に進めない前を見つめて
.
.
自分はここで貴方がまた来るのを待ち続けてしまうのかもしれない
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みるくてぃー - 続編、おめでとうございます!更新、大変だと思いますが、頑張って下さい!応援してます! (2019年2月16日 1時) (レス) id: 04fa715d74 (このIDを非表示/違反報告)
綺雨-kiu- - 続編おめでとうございます!! これからも、のんびり、自分の調子で更新頑張ってください!影ながら応援させて頂きます♪ (2019年2月11日 23時) (レス) id: e5cf7f0445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:riyana | 作成日時:2019年2月11日 21時