WhiteDay Story 『ut』 ページ15
A『鬱先生…！書類の提出期限が今日までなのですが』
朝の10時…
扉をノックしても返事がなかったので、扉越しにそう伝えても結果は変わらず
トントンさんに『今日中の提出やから』とも言われたので、ここで引くわけにはいかない
仕方なくドアを開けようとし、ドアノブに手を掛けると…手に何かが触れ、見ると紙袋が掛かっている事に気付いた
A『……？』
少し気に触るが…そっと中を覗くと、そこにはまさに今必要としていた書類が全て入っていたのであった
驚きながら中身を出すと『トン氏に遅れてごめんと伝えておいてくれへん？』と書かれた紙も付属されていたのであった
自分は袋に全ての書類を入れて、紙を持ち…トントンさんの部屋へと急いで向かった
.
トントンさんの部屋の扉を閉め…
時計を見ると午後の13時…ゆっくりしている時間はない、明日提出の書類がまだ残っているので少し早歩きで廊下を歩いていると
ut『Aちゃん〜待ってやぁ…』
と小さく情けない声が後ろから聞こえ、足を止めて振り返ると鬱先生が遅れてこちらに来たのであった
A『うっ鬱先生？…この時間まで何をなされていたのですか？』
自分がそう聞くと鬱先生は顎に手を当てて『うーん…』と言うばかりであった
ut『今日、ホワイトデーやろ？…これ、俺からのお返しなんやけど』
そう言い、手に持っていた袋を自分に差し出す…
A『わっ…私にですか？ありがとうございます！』
『ん、そうやでAちゃんにや』と言われ差し出された袋を受け取ると、鬱先生は『本当はもっと早めに渡したかったんやけど…』と言いながら苦笑する…
ut『ちょっと寝坊してな…そしたらめっちゃお店混んでたんよ』
何を買ってきたのかは聞かなくてもわかる…今、1番街で人気のあるお店のカップケーキである
10時から開店なのだが、その前から長蛇の列を作っている程である、酷い時は3時間以上の待ちもあり、ましてやホワイトデーである今日は更に混んでいたに違いない
A『鬱先生…』
と、名前を呼んだが…
『あ〜…遅れるとトン氏に怒られるやんけ』と言い、ポケットに手を突っ込み歩き出す鬱先生の背中を見つめていると
『…あっ』と聞こえ足を止めた
.
ut『ハッピーホワイトデー…やな』
.
振り返り…
へらりと笑うその笑顔は、いつになく貴方らしさがある気がした
.
.
〜White Day〜
広がるその味を噛み締めて…
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みるくてぃー - 続編、おめでとうございます！更新、大変だと思いますが、頑張って下さい！応援してます! (2019年2月16日 1時) (
レス) id: 04fa715d74 (このIDを非表示/違反報告)
綺雨-kiu- - 続編おめでとうございます！！ これからも、のんびり、自分の調子で更新頑張ってください！影ながら応援させて頂きます♪ (2019年2月11日 23時) (レス) id: e5cf7f0445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：riyana | 作成日時：2019年2月11日 21時
