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「…っ!今のは強い風やったな、早よ家に帰った方がええで。」
『…う、うん。』
急に吹いたあまりの強い風に、心底驚いた自分は
反射的に瞑ってしまっていた目をゆっくりと開けると…
此方を心配するように問いかける彼は
どうやら自分のフードが取れたことに
気が付いてないのだろうか?
"色素の薄い茶色の髪"をなびかせ
それまでフードにより見えなかった表情までが
しっかりと見えるようになり…
「それなら…ええんやけど。」と
また不器用に私の頭を撫でていたが…
ふとした時、彼の手は止まったのであった。
急にピタリと止まったため、不思議に思い
自分が顔を上に向け、彼の表情を覗き込むと…
此方を見つめる彼の鋭い目と、自身の目が完全に合った瞬間
自然と、それは呟きがこぼれ落ちるかのように
自分の瞳を覗きながら、彼は確かにこう言ったのだ…
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「…君の瞳、俺の見た海みたいに綺麗な青色やな。」
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生まれて初めて言われた言葉であった。
最初は冗談かとも思ったのだが
彼が優しい視線を向けてそう言うのだから
なんだか自分も何処か嬉しくなってしまい…
『…あ、ありがとう』と
照れくさくなりながらもそう言葉にし、
もう一度彼へと視線を向けると…
それまで気にすることもなかったが
"瞳の色"を自分も意識して、彼を見た時であった
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それは、今でも忘れる事のない
エメラルドのような明るく綺麗な瞳の色。
『…猫を助ける時、ヒーローみたいでとってもカッコ良かった…』
「ヒーロー?…そ、そんなこと初めて言われたわ!」
少し照れくさそうに笑う彼の姿を見て
自身の服の上から、ギュッと胸をおさえる
それは、確かに感じた"一目惚れ"だ。
「まぁ…また、いつか会えたらええな。」
『…うん!』
そう言うと彼は、私の手に持っていたリンゴを受け取り
何事もなかったかのように
その場を後にしたのを最後に…
今となってはもう…
その声も顔も思い出す事は出来なくなってしまった。
__私が覚えている事は、僅かな記憶と…
名前も何も知らない彼の持つ、"鮮やかな瞳の色"だけは
大人になった今でも忘れずにずっと…
私の脳裏に焼き付いていたのであった。
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ＨｉＮａＴａ／ひなた - あれ?目からバブルのたきが〜))…うわーンあ一わ一んうえ−ん (3月31日 8時) (
レス) @page44 id: 46cf81a59e (このIDを非表示/違反報告)
さくさく日記(プロフ) - 初めましてさくさく日記と申します。完結おめでとうございます。今日こちらの作品を見つけまして最後まで通しで閲覧させて頂きました。物語の構成もですがそれぞれの人物の心理描写や流れがとても素敵で泣いてしまいました。本当に素敵な作品をありがとうございました。 (3月21日 22時) (レス) @page44 id: fce70f8179 (このIDを非表示/違反報告)
あずは(プロフ) - 号泣してしまいました😭素敵すぎます、！！ (3月17日 22時) (レス) @page44 id: 0a871c975d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：riyana | 作成日時：2024年2月29日 19時
