epilogue ページ43
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「よし、A!もうすぐで海に到着や!」
「ほんまに、潮の匂いがするやろ?な?な?」
決して景色は見えなくとも、潮の香りと共に
波の音が遠くから聞こえてくる。
『ええ、ゾムさんのお話の通りです。』
『潮の香りと…波の……わっ!!』
話の途中ではあるが急に駆け出す彼に驚き、
自分は振り落とされないよう、慌てて彼にしがみつく。
「ん?…大丈夫やって!Aを落としたりなんて絶対にせぇへんから!」
「あっ、下はもう砂浜やからな…降りる時は気を付けてな?」
そう話す彼は、相変わらず神経質に感じるほど
優しく手を掴んでは背中から降りる
自分の着地を優しく見守る。
「大丈夫やな、よし…今、包帯を取るから待っててな!!」
『…ゾムさん、何故最後まで…自身が私の探している人だと話してくれなかったのですか。』
『何故…ずっと隠していたのですか。』
自分がそう尋ねると、後ろに周り包帯を取ろうとする
彼の手の動きは止まった。
ずっと聞きたかった、何故教えてくれなかったのかと
何故ずっと貴方は、嘘をついていたのかと。
「…ほんまに、何でやろうな」
「君に…Aに嫌われてたくなかった。そんな子供みたいな…本当に下らない理由だったかもしれへんな。」
「人の視力を奪った奴に、人を愛し…好きになる資格もないのにな。」
「これも、自分の勝手な罪の償いやけど」
そう話すと彼は、止めていた手を動かし始め
頑丈に結ばれている、包帯の結び目を優しく解く。
「遠い山でも、国でも…"海"も全部や。」
「これから俺が、Aに沢山の世界を見せたるよ。」
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「俺の愛した人に…平和な世界は、こんなにも綺麗な場所やと。」
その言葉が聞こえた後
包帯が解けたと同時に目の前に広がる
太陽の反射する一面が青の、酷く美しい光景
ここが私の見たかった、彼の知る海だ。
自分は、溢れ出てくる想いと涙を隠すために
手で顔を覆い、また暖かい砂浜に崩れ落ちる。
『…凄く、すごくっ……綺麗です。』
『本当に美しくて…鮮やかで…この景色を貴方と一緒に見たかった。』
平和な世界に広がる一面の海は
世界で1番美しいと感じる程に、輝いていた。
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ＨｉＮａＴａ／ひなた - あれ?目からバブルのたきが〜))…うわーンあ一わ一んうえ−ん (3月31日 8時) (
レス) @page44 id: 46cf81a59e (このIDを非表示/違反報告)
さくさく日記(プロフ) - 初めましてさくさく日記と申します。完結おめでとうございます。今日こちらの作品を見つけまして最後まで通しで閲覧させて頂きました。物語の構成もですがそれぞれの人物の心理描写や流れがとても素敵で泣いてしまいました。本当に素敵な作品をありがとうございました。 (3月21日 22時) (レス) @page44 id: fce70f8179 (このIDを非表示/違反報告)
あずは(プロフ) - 号泣してしまいました😭素敵すぎます、！！ (3月17日 22時) (レス) @page44 id: 0a871c975d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：riyana | 作成日時：2024年2月29日 19時
