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『……っ!』
『…鐘の音、もうゾムさんの起床時間だ。』
館外に響く鐘の音は、幹部たちが起床する合図
自分は急いで、屋上を後にし
廊下を慎重に歩きながらも、急いで歩く。
まさか朝から、転ぶだなんて思ってもいなかった。
全ての洗濯物を干し終えたと思っていたが
残っていたタオルを踏み、情けなくも
…自身の不注意で倒れるだなんて。
「A〜!おはようさん!!」
ドアをノックすると共に、勢いよく開かられる扉
中から出てきた彼は相変わらずの明るさだが
恐らく、服はパジャマのまま
髪の毛は寝癖により、四方八方に飛んでいるのだろう。
『ゾムさん、おはようございます。』
『…朝食まで時間がありません、早く身支度を整えてしまいましょう。』
自分がそう彼に伝えると、嬉しそうに返事を返し
優しく自分の腕を引いては、部屋の中への案内を
彼は変わらず毎朝してくれる。
鏡の前に座る彼から渡されるブラシを握り
手を上に上げた瞬間、少しだけ痛みを感じた
恐らく、転んだ際に擦りむいてしまったのだろう。
「なぁ、A。」
「…その腕、どうしたん?」
いつも明るく、元気な声のする彼からは
少し違った…冷たく低めな声が静かな部屋に響く。
『かすり傷です、お気になさらず。』
『……ん?ゾムさん?…何処に……?』
一瞬、彼の言葉に動揺をしたが
直ぐに彼の髪を整えようと、手を動かすが
ゾムさんの姿が、そこにはなく…
「ん!!腕、見せてみ。」
「…俺やって、1人の兵士や。怪我の処置ぐらいなら、俺でも出来る。」
ゾムさんの身支度を終えてから
簡易的な治療を行えば良いと、思っていたが
どうやら、彼はそれを許してくれなさそうだ。
直ぐに慣れた手つきで、傷の処置を行うのは
恐らくそれ程…実践をする回数が多い証拠
戦地での、"先陣を切る"彼なら尚更だろう。
「誰が何を言おうと…Aは、俺の"腕"や。」
「この大切な約束、忘れるんやないで?」
不慣れな手つきで彼に頭を
クシャクシャと撫でられる感覚と
部屋に鳴り響く、鐘の音。
『…ゾムさん、ありがとうございます。そして我々は朝食の時間に遅刻です。』
「…げっ、トントンに怒られる…。A!!早う食堂へ行くで!!」
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ＨｉＮａＴａ／ひなた - あれ?目からバブルのたきが〜))…うわーンあ一わ一んうえ−ん (3月31日 8時) (
レス) @page44 id: 46cf81a59e (このIDを非表示/違反報告)
さくさく日記(プロフ) - 初めましてさくさく日記と申します。完結おめでとうございます。今日こちらの作品を見つけまして最後まで通しで閲覧させて頂きました。物語の構成もですがそれぞれの人物の心理描写や流れがとても素敵で泣いてしまいました。本当に素敵な作品をありがとうございました。 (3月21日 22時) (レス) @page44 id: fce70f8179 (このIDを非表示/違反報告)
あずは(プロフ) - 号泣してしまいました😭素敵すぎます、！！ (3月17日 22時) (レス) @page44 id: 0a871c975d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：riyana | 作成日時：2024年2月29日 19時
