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「そんなん、別にいらんよ。」
彼女の"気持ち"だけ、それだけを受け取ろうと思い
自分のできる、ぎこちない"感謝"伝え方であったと思うが
不慣れな手つきでクシャクシャと、彼女の頭を撫でる。
__この人生、もう2度と彼女と会う事もないと
当時の自分は、思っていたから。
だが、"風"という自然のモノは本当に意地悪だ
この時に、この瞬間に強い風が吹かなければ…
彼女に顔を見られる事も、何もはじまる事もなかった。
「…っ!今のは強い風やったな、早よ家に帰った方がええで。」
『…う、うん。』
彼女の背中を押すほどの、強く吹き抜けた一瞬の風
バランスを崩す彼女を慌てて支えたが為に
自身のフードが取れている事に、気付かなかったのだから。
何故、彼女が自分の事をこんなに見つめる理由が
当然だが最初は分かっていなかった
寧ろ、フードを被っているのだから表情も
何も見えないのに、何故コチラを見ているのだろうと。
「それなら…ええんやけど。」
彼女と目を合わせるのは、少し恥ずかしいと言うのか
気まずさがあり、ずっと視線を逸らしていたのだが…
一瞬だけ視界に入った"彼女の瞳"に自分は
それまで意図的に合わせていなかった目を
まるで、吸い込まれるような形で見つめてしまった
…何故、吸い込まれるような感覚になったかと？
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それは日差しを反射させた"海"のような
煌びやかで鮮やかな、"瞳の色"であった。
今でも覚えとる、本当に綺麗だ。
羨ましいと感じる程であった。
この濁った暗い世界を知らない、純粋無垢な色を彼女は確かに持っていたのだから。
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自分の故郷は、近くに海があり
幼い時によく遊んでいた記憶が残っている。
__自分の見た海の景色は、色は、何もかもが綺麗だった
きっと、思い出の補正でも入っていたのだろう。
そんな記憶に残る景色と、同じ瞳を持つ者が
まさかこの世界にいるとは、思いもしなかった。
言うつもりもなかった、伝えるつもりもなかった
それでも、自然とこぼれ落ちるかのようにその言葉は…
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「…君の瞳、俺の見た海みたいに綺麗な青色やな。」
覚えとるよ、君にそう伝えたのも…
幼い時に出会った事も、全部。
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ＨｉＮａＴａ／ひなた - あれ?目からバブルのたきが〜))…うわーンあ一わ一んうえ−ん (3月31日 8時) (
レス) @page44 id: 46cf81a59e (このIDを非表示/違反報告)
さくさく日記(プロフ) - 初めましてさくさく日記と申します。完結おめでとうございます。今日こちらの作品を見つけまして最後まで通しで閲覧させて頂きました。物語の構成もですがそれぞれの人物の心理描写や流れがとても素敵で泣いてしまいました。本当に素敵な作品をありがとうございました。 (3月21日 22時) (レス) @page44 id: fce70f8179 (このIDを非表示/違反報告)
あずは(プロフ) - 号泣してしまいました😭素敵すぎます、！！ (3月17日 22時) (レス) @page44 id: 0a871c975d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：riyana | 作成日時：2024年2月29日 19時
