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『ゾムさん、おはようございます。』
『…朝食まで時間がありません、早く身支度を整えてしまいましょう。』
ドアのノック音は彼女が自分の部屋に来た合図
その音を聞き自分は、勢いよくドアを開けては
彼女の手を引き、決して小さな段差などで躓かないよう
部屋に案内をする、これが2人の朝の始まりだ。
『……この寝癖は…いえ。なんでもありません。』
「……ん?なんやて?」
思えば、四方八方に飛んだ自分の寝癖を彼女が初めて
梳かしてくれた時は、癖の強さに驚いとったな。
今日も、大きな鏡のあるドレッサーの前の椅子に座り
彼女の手元にブラシを差し出し…
今日はどんな話を彼女と交わそうと
そう…1人考えていた時であった。
それは鏡が大きい故だろう…
彼女の腕に擦りむいたまま、放置された傷口が見えた。
「なぁ、A。」
「…その腕、どうしたん?」
『かすり傷です、お気になさらず。』
平然とした顔で話しているから、
本当に擦り傷だと思い込んでいるのだろう。
彼女は、只のちょっとした擦り傷だと話していたが
それは、自身の"傷や痛み"が見えていないからだろう。
"視覚の情報"がないという事、それがどれ程
彼女自身の身体に危険を犯しているのかが
この瞬間に目に見えて分かった。
「ん!!腕、見せてみ。」
「…俺やって、1人の兵士や。怪我の処置ぐらいなら、俺でも出来る。」
自分は席を立ち、自身が訓練後に使う
簡易的な救急箱を手にして、彼女の腕の怪我を見る。
別に、処置が不慣れな訳ではない
これまでの戦いの中で、沢山の仲間の傷や怪我を見て来た
しかし、自分の傷を"理解"していない人は初めてだ。
「誰が何を言おうと…Aは、俺の"腕"や。」
「この大切な約束、忘れるんやないで?」
もっと、彼女自身を労ってほしかった
自身を仕事を理由に二の次になんて、してほしくない。
だから、俺は彼女に…君は俺の"腕"でもある事を
何度も、強く伝えた。
『とっ、整えた髪が崩れます…ゾムさん。』
彼女はもう、幼い頃に俺と会った事なんて
すっかり忘れてしまったかもしれないが。
こうやって、まだお互いが幼い頃に
君の頭をクシャクシャ撫でてたのが
なんだか…酷く懐かしいな。
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ＨｉＮａＴａ／ひなた - あれ?目からバブルのたきが〜))…うわーンあ一わ一んうえ−ん (3月31日 8時) (
レス) @page44 id: 46cf81a59e (このIDを非表示/違反報告)
さくさく日記(プロフ) - 初めましてさくさく日記と申します。完結おめでとうございます。今日こちらの作品を見つけまして最後まで通しで閲覧させて頂きました。物語の構成もですがそれぞれの人物の心理描写や流れがとても素敵で泣いてしまいました。本当に素敵な作品をありがとうございました。 (3月21日 22時) (レス) @page44 id: fce70f8179 (このIDを非表示/違反報告)
あずは(プロフ) - 号泣してしまいました😭素敵すぎます、！！ (3月17日 22時) (レス) @page44 id: 0a871c975d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：riyana | 作成日時：2024年2月29日 19時
