prologue ページ1
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「……………。」
正直、申し訳ないのだがとても気が散る…
それもそうだ、私がこの部屋に入って以降
ずっと自身を見つめる視線を感じるのだ。
『あの、…ゾム様。』
『…特に特別な事をしている訳ではないので、私の手元をそんなに見つめる価値はないかと。』
自分はメイド…所謂、館内のお世話係であり
仕事の一環として彼の部屋に
畳んだタオルや服をタンスに入れているだけなのだが…
彼が少し驚くのも仕方ないのかもしれない。
「…え!!まさかお前、俺が見てた事…最初から知ってたんか?!」
「はっ…もしや、後頭部に第3の目でもあるんか?」
自身の目に覆われた包帯
外しても広がるのは、色のない暗闇のみの世界。
後ろで、騒がしく身振り手振りをしている彼の姿を
"私は見る事が出来ない"。
「お前…周りが見えんくて、何か段差に躓いたりしないんか?」
「はっ!どうしてタンスが此処にあると分かるんや!」
ゾム様は、タンスへ服を仕舞う自分の隣に立ち
恐らくだが、驚いた顔を向けてこちらを見ているのだろう。
『…およその場所は、分かります。』
『ゾム様のお部屋における家具の配置については、頭に叩き込んできたつもりです。』
幼い頃に私は、火災により"視力"を失った。
所謂、目が見えないと言う事だ。
自分の話す言葉を聞き、途端に彼は静かになったが…
大きく息を吸い、自分の手を掴みながら
「…よしっ決めた、俺決めたわ!!」
「今日からお前は俺の"腕"…専属のメイドや!!」
『えっ?ちょ、あの…いきなり何をっ!?』
彼は、自分の返答を聞く前に
私の身体を軽く持ち上げては…
所謂、横抱き…いや"お姫様抱っこ"と言うのだろうか
ドアを蹴り飛ばす勢いで開けては
風を切るように館内の廊下を颯爽と駆け抜ける。
「ええか?今日から、俺がお前の"目"になったる。」
「よぉ〜し!そうと決まれば、トントンに報告やな!…しっかり捕まっとるやで!!」
私は、彼の"腕"となり
彼は、私の"目"となる
国の幹部と専属のメイド
私達、良いコンビになれそうではないですか?
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ＨｉＮａＴａ／ひなた - あれ?目からバブルのたきが〜))…うわーンあ一わ一んうえ−ん (3月31日 8時) (
レス) @page44 id: 46cf81a59e (このIDを非表示/違反報告)
さくさく日記(プロフ) - 初めましてさくさく日記と申します。完結おめでとうございます。今日こちらの作品を見つけまして最後まで通しで閲覧させて頂きました。物語の構成もですがそれぞれの人物の心理描写や流れがとても素敵で泣いてしまいました。本当に素敵な作品をありがとうございました。 (3月21日 22時) (レス) @page44 id: fce70f8179 (このIDを非表示/違反報告)
あずは(プロフ) - 号泣してしまいました😭素敵すぎます、！！ (3月17日 22時) (レス) @page44 id: 0a871c975d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：riyana | 作成日時：2024年2月29日 19時
