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私たちの住むこの国の総統は全てを従える威厳があり誰よりもカリスマ性を持つ立派なお方なのだそう。
例えるなら、甘党で何処か抜けている私のお父さんとは所謂真逆の存在というのだろうか。
『…お父さん、甘いもの食べ過ぎ。』
「なっ…きっ今日はまだショートケーキを1つしか食べていない。」
まだ…と言う事は恐らくあと2つくらいは食べるつもりだという事は、娘なのだから直ぐにわかる事である。
これでも家族であるのだから、分かって当然と言う事ではないがある程度は分かるよ。
『…その量だと、夜ご飯少なくする形で丁度いい?』
「ん?…我が娘の料理を少なくして食べると誰が言った。問題ない全て食べる!」
全く。恐らく食べきれないのは想定の範囲内であるから無理に言わなくてもいいのに。
まぁ…私が何を言ってもお父さんは意見を曲げる気はないのは分かっているから聞かざる得ないのだが…
「…しかし、お前も大きくなったものだな。」
「昔はケーキをあげると言ったら嬉しそうな顔を向けて見逃してくれたはずなのだが…」
そう言うと、お父さんはクシャクシャと整えた髪を乱すように沢山頭を撫でるのである。
もうそんな歳ではないと口にしても"お父さんの特権だからな!"と言ってやめてくれのは分かっている。
「今日の夜中には戻るからな。何かあったらこの国の中心となる城の所に直ぐに来るようにな?」
そうお父さんは、これから"仕事"と言うものに行くのだ。
ちなみに、"仕事"については私が大きくなった今でも何をしているのかについて明確な答えは返ってこない
__強いて言うなら、少し大変な仕事をしている__
お父さんは口癖のようにそうとだけ言うと"大きくなったら教えるから安心しろ"と言われる毎日である。
もうすぐでその言葉の通りの大人になるけど、お父さんはきっとお父さんは嘘を重ねるのだろう。
「…ではすまないな。"仕事"が入ってしまったからそろそろ行く。ご飯楽しみにしている!」
『うん。いってらっしゃい。』
さて…命の恩人である、大切なお父さんに私の小さな力で何ができるだろうか。
__偽りの父__
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なな - ・・・なんか悲しい気がします。主人公が幸せになれますように。 (2021年6月13日 11時) (レス) id: eb678d68cd (このIDを非表示/違反報告)
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