【wrwrd!】いつか訪れる偽りの幸せを。 (ページ11)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:11,895 hit

＊11 ページ11

.

『シッマ、お姉ちゃんの事好き?』

「……は?」

姉である自分からの唐突な質問。

因みに、1人の女性という見方ではなく1人の家族として好きか?という質問である。

隣で心底不機嫌そうな顔で返事をする彼と期待した顔で聞いている私ではあるが…

周りから見たら、ただの仲良しな姉弟に見えているのだろうか?

『ごめんって～!そんな怒らないでよ～…』

「…いきなりなんやねん、お前。」

これでも一応は、3つ歳上の姉ではあるのだが…

出会ってから未だにずっと"お前"と呼ばれた事しかない。

『冗談だって!そんなに嫌そうな顔しないでよ～…お姉ちゃん悲しいじゃんか…』

「……げっ、お前な…急に抱き着こうとすんなや。」

嫌がる彼の瞳は綺麗なシアン色であり、髪は鮮やかな金髪

黒髪、茶色の瞳の私とは到底似ても似つかない、存在である。

『良いじゃん!私達、家族なんだし』

「………。」

確かに私達は同じ家に暮らし、お互いに再婚をした親をもち

全く同じ名字を名乗る2人ではあるが

全く血の繋がっていない義姉弟でもあり…

それでも、私達は家族である。

『…なんだ～?お姉ちゃんが恋しくなっちゃったか～?シッマ??』

「……はぁ?お前が恋しいやと?…んなわけあるかいな。」

頭を撫でようと思い手をのせると、すぐに退かされてしまうが…

なんだか、この日常が楽しいと同時に

とても恋しくて堪らないのだ。

「………。」

大人になった今でも呼んでもらえた事はないけどさ…

確かに、偽りの姉ではあるよ…でも。

__いつかは"お姉ちゃん"と呼んでもらえるように__

これからも君のお姉ちゃんとして、精一杯頑張っていこうかな。

.