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『明日、少々館内が忙しなくなるかと思うから城下町での買い物や散策など久々にどうかな？』
「…明日？また急やな、家主が忙しないと別荘も常に忙しないんやな。」
『なっ！…やっ家主になんて事を！』
そんな他愛も中身もない会話しながら、
彼女が持って来てくれた読み終えた本を
本棚へと1冊1冊元にあった場所へと戻している。
早いものでこの別荘にお世話になって10日が経とうとしている、幹部の仕事をしている際は1日が酷く長く感じたが
自分だけの自由な時間の経過は酷く早く感じ1日があっという間に感じる。
『とっても大事なお客様なので！私もいつになく真剣な顔をしておりますよ！』
「…他人事のような言い方になるけど、家主もかなり大変やな」
…いや、1日が早く終わると感じるのは。
隣で今日も些か楽しそうに笑顔を浮かべる、
彼女が毎日のように飽きずに隣にいては、話しているからなのかもしれないが。
「大事な来客者がおる…か、俺かてひと通りの接待ぐらいならできる。」
「1ヶ月お世話になり続けるのも悪いからな、微力ながら手伝うで。」
普段の天真爛漫な姿を見て、失礼にはなるが
とてもお客様を迎える立場には向いていないのは一目でわかる。
この若さで家主なのは本当の話なのだろうか？
本来はここの家主である血縁関係の家族が現在は体調不良などで、一時的に彼女が代理となっていると言う予想が1番納得がいく。
『本当？！国の幹部そして書記長が接待やご案内をしてくれるの？』
普段の彼女なら目を輝かせながらそう話をすると。
自分の中で固定概念を作り、どこまでサポートをしようかと考えていたが…
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『大丈夫だよ!』
『家主としての使命はしっかり果たすので!』
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__そうか。
最初はどこか自分勝手で考えなしのタイプにも見えたが。
それは、1番の勘違いやったかもしれへんな。
敵国との境界線までもがここの付近に存在する。
境界線での争いや問題が発生したら、幹部への連絡は恐らくすぐになるが、ここまで一度も発生していないのは
ここまで、彼女が国の為に頑張り続けているという事なのか。
嘘をつくのが下手やからわかるが。
恐らく訪ねるのはお客様ではなく、相手国からの使者やお偉いさん。
つまり、俺たちの敵という事やな。
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