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《第1章》輝き ページ8

私は色々あって、家に帰れなかった。

そんな中立ち寄った公園。

その日は今の気温とは真反対、氷の中に浸かっているかのように寒かった記憶がある。ニュースでも、東京で雪が降りそう、なんて騒がれていた。
とても凍りそうに寒かったことを覚えている。
その日、公園にたまたま居たのが類。
類はこんな寒さの中、ガチャガチャと何かを作っていた。
近くには、類の母親と思われる人が、優しく見守っていた。
それを見て、私は少し羨ましく思った。

___私と違う。

だから、少しイタズラでもしてやろうと思った。
いくら幼いからと言って初対面にイタズラするのは流石に度を超えていると思うが、その頃の私にそんな考えは無かった。
それに、そんな事を教えてくれる人は居なかった。

私はゆっくりと類に近づいて、類のまだ小さかった背中を、思いっきり押した。

類は、驚いたように声をあげ、泣き出してしまった。
それに気づいた類の母親が、鬼の形相でこちらに近づいてきた。
その時初めて、自分は酷いことをしたと気がついた。
類は、作っていた物に押した反動で顔が当たったのか、頬の一部が少し赤らんでいた。


その後、類の母親には酷く怒られた。当たり前だ。
そりゃ、誰でも怒る。急に現れた変なやつに自分の大切な子供を傷つけられたら、たまったもんじゃない。

類の母親は、私の親について私に尋ねてきたが、私は一切話さなかった。


___



なんて思い出に浸っていると、パンはもう無く、手元には何も無かった。

あ、お金払わなきゃ。食うだけ食って金を払わないとは、なんて最低なことをしようとしていたんだ…
私は口を開いた。

『あ、めっちゃ美味しかった。ありがとう。あの、何円だった?』

すると類は言った。

「いや、大丈夫。いらないよ。僕が渡したくて渡したんだから。」


優しく微笑んだ。
夏風のせいで、類の髪が少し揺れた。

やはり類は優しい。
高校だと、変人ワンツーとか変なあだ名を付けられたりしてるし、類もそれなりの事をしてる。
けど、根はめちゃくちゃ優しい。


空を見上げると、太陽が明るく光り輝いていた。

太陽と同じように、私の心も明るかった。
今にも空を飛べそうなくらいだ。


屋上からの景色は、とても輝いて見えた。

《第2章》無精卵→←《第1章》輝き



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下田(プロフ) - necoさん» 良かったです!!このままで書こうと思います✨コメントありがとうございました🙇‍♀️ (2022年10月29日 22時) (レス) id: 2bbe31fb0f (このIDを非表示/違反報告)
neco(プロフ) - 検索から発見しました!全然文字数大事だと思います!内容盛りだくさんでサイコーです! (2022年10月29日 21時) (レス) @page6 id: e842605c75 (このIDを非表示/違反報告)
下田(プロフ) - よよよの鬼太郎さん» わわわ…ありがとうございます(><)めっちゃ嬉しいです😭これからも頑張ります❤️‍🔥❤️‍🔥❤️‍🔥 (2022年10月29日 21時) (レス) id: 2bbe31fb0f (このIDを非表示/違反報告)
よよよの鬼太郎 - 検索から見つけました!個人的な感想になってしまいますが、全然よみにくくないですよ!むしろ文字数が多い方が満足感があって私は好きです!これからも応援してます✨ (2022年10月29日 16時) (レス) @page6 id: b96fdc6da6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:下田 | 作成日時:2022年10月27日 18時

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