《第1章》輝き ページ7
＿＿＿＿これ、食べるかい？
私の頭上あたりで囁かれる優しい声。
見上げると、見覚えのある紫色の髪、吸い込まれそうな黄色い眼。
神代類。私の昔からの友達だ。
『え……？良いの？』
「嗚呼、構わないよ。それにA、これが食べたかったんじゃないのかい？」
類は優しく笑ってそう答えた。
え、なんで知ってんの？え、怖。
まあでも昔からの付き合いだし……でも今はそんな事どうでもいい。私はソーセージパンが食べたい。
不幸のどん底に落とされたあとの幸には、普通に幸を感じた時の何倍も幸福に感じると、昔テレビで聞いた気がする。
本当にその通りだ。
類の手からソーセージパンを少し強引に受け取り、袋を空けた。
中から一気にソーセージパンの香りが放たれる。
こんがり焼けたパン。油が溢れそうなソーセージ。
やばいやばい。美味しそうすぎる……
勢いよく口の中へ突っ込んだ。
一気に口の中へ広がる独特な旨み。どんな高級焼肉よりも美味しいと思う。高級焼肉は食べたことないけど。
咀嚼する度に感じる味。幸せだ。極楽浄土に居る気分だ。
『めっちゃ美味しい……』
美味しさのあまり、声を漏らした。
「ふふっ良かったよ。Aがさっきパンの列に並んでいるのを見てね、売り切れただろう？そしたらAが、不幸のどん底に落ちたみたいなオーラを放っていたから、買えた僕が申し訳無くなってしまってねえ。それに僕は、コレにこだわっていた訳でもないし、折角ならAにと思ってね。」
あ、なんだそんなことか。類の良心だったみたいだ。
咀嚼しながら感謝の気持ちを込めて頭を下げた。マジで優しいなあ…類。
心の中を読む機械かなんかを作って、心読まれたのかと思った。
一般的にはそんな事出来ない。心を読む機械は大袈裟だけど、類なら作れそう。
類はなんでも作れる…言っちゃえば錬金術師みたいな。
そんな類と、初めてあったのは小学校入学して初めての冬頃＿＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
下田(プロフ) - necoさん» 良かったです!!このままで書こうと思います✨コメントありがとうございました🙇♀️ (2022年10月29日 22時) (
レス) id: 2bbe31fb0f (このIDを非表示/違反報告)
neco(プロフ) - 検索から発見しました！全然文字数大事だと思います！内容盛りだくさんでサイコーです！ (2022年10月29日 21時) (レス) @page6 id: e842605c75 (このIDを非表示/違反報告)
下田(プロフ) - よよよの鬼太郎さん» わわわ…ありがとうございます(><)めっちゃ嬉しいです😭これからも頑張ります❤️🔥❤️🔥❤️🔥 (2022年10月29日 21時) (レス) id: 2bbe31fb0f (このIDを非表示/違反報告)
よよよの鬼太郎 - 検索から見つけました！個人的な感想になってしまいますが、全然よみにくくないですよ！むしろ文字数が多い方が満足感があって私は好きです！これからも応援してます✨ (2022年10月29日 16時) (レス) @page6 id: b96fdc6da6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：下田 | 作成日時：2022年10月27日 18時
