屋上人生記 【神代ﾙｲ】【prsk】

《第1章》輝き ページ2

ミーン…ミーン…

セミの鳴き声が不協和音となり教室に響き渡る。
額からは汗が垂れて前髪が額にべっとりとひっついている。
とても暑くて気持ち悪い。
高校生2回目の夏。

現在2限目の歴史。教科担任が黒板に文字を連ねる。飛鳥時代、中国語を無理矢理当て字にしたキモイ文字。それを真剣に板書する。
そもそも歴史とか学んだ所でって感じだし、全くやる気が起きない、眠い。

あ、漢字間違えた。
板書は急がないと遅れるから好きじゃない。それに、字汚いし。

急いで筆箱から消しゴムを取り出す。もう小さくなった黒い消しゴム、落としても多分見つけれないくらいちっちゃい。

指の第一関節もないから、丁寧に消す。
ノートを勢いよく消す時に紙がぐちゃってなるやつ。あれめっちゃ嫌い。大昔にやってから若干トラウマになって、丁寧に消すようにしてるけど、たまになる。

やっと消せた。あれ、もうこんなに進んでる。黒板を見ると、もう私が書き直した文字から5行も進んでいた。
先生の手は止まらない。スラスラと白いチョークを進めていく。
やばい、急がなきゃ。間に合わない。

急いでシャーペンに持ちかえる。昨日知り合いの警察官から貰った詐欺防止シャーペン。デザインはくそダサいけどないよりマシだからもらった。警察のイメージキャラクターの「クマ澤君」ていう、変なクマに警察帽をかぶせただけのキャラクターがニッコリと笑っている。
なかなかにキモイ。

＿＿＿Aさん、聞いてますか？！


＿＿＿＿＿＿
次に続きます

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