それぞれの優しさ ページ22
Nakamu王子と一通り踊ると、今度はBroooock王子が私の手を取りエスコートしてくれた。
少しぎこちないけれど、とにかく楽しもうとしているようなちょっと粗めな踊り方。
Broooock王子との時間が終われば次はシャークん王子が手を引いた。
シャークん王子はダンスは苦手らしい。
Broooock王子よりもちょっとおぼつかない足取りだった。
でも一生懸命エスコートしようとしてくれているので、私はそれが嬉しかった。
途中から私がエスコートするような形になったけれど、楽しく踊れたと思っている。
次はきんとき王子が私の手を取る。
きんとき王子は私が疲れていないか心配してくれていたのだろうか。
私を持ち上げてくるり、と回ったりとにかく足を庇うような動きになるようにしていた。
確かに少し疲れたけれど皆と踊るのは楽しくて、足なんてどうにでもなれなんて思っていた。
きんとき王子は気遣いができる優しい人なんだろうな。
その次はスマイル王子が手を取り、優しく引き寄せて密着する形で踊ることになった。
本人曰く「これなら転んでもすぐ支えられるから」だそう。
スマイル王子も心配はしてくれているみたい。
素直に言ってくれた方が嬉しいけれど、これも彼の優しさなんだろうと思った。
先程Broooock王子が言った通り、スマイル王子はダンスが凄く上手で踊りやすかった。
足にそこまで負担もかけずに踊れた。
最後はきりやん王子が私の手を取り、ダンスが始まる。
kr「やっと俺の番が来たね」
そう言って彼は私の手の甲に口付けを落とす。
他の5人の王子の目の前だったからか、心なしか耳が赤い。
5人へ目をやると皆豆鉄砲をくらった鳩のようで、目を丸くしていた。
Broooock王子が何か騒いでいればきりやん王子は舌を出して馬鹿にする。
そんな事をしていてもきりやん王子が私の足を踏んだり、ステップを間違えることは一切なかった。
それに私の足を気遣っているような、そんな踊り方。
きりやん王子はかなり器用な人みたい。
6人それぞれの優しさが、余計に私の心を温めた。
こんなにも今が楽しいのに、今日が終わってしまったら…
そう考えるとなんだか悲しくて、今がずっと続いて欲しいと願ってしまう。
私の心を温めてくれるこの人達と離れたくない……
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作者名：赤羽るな | 作成日時：2023年4月10日 15時
