お れ ん じ

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side S.d









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本当は気づいてたよ








望が家に来てくれたこと







でも、逢わへんって決めたから








お母さんに







望が来ても 、 家に入れないでくれと頼んだ 。








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本当は会いたいと心が叫んでいるくせに







全部知らんぷりして 、 時が経つのを待った 。








望が家に訪ねてきた日から 2日経った 。








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生贄として捧げられる日まであと2日 。








「 大毅 、 生贄に選ばれることはね、いいことなのよ .. だから 、」







「 お母さん 、 分かってるから、 もう大丈夫やから 」









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俺に言い聞かせているのか






自分に言い聞かせているのか






お母さんはずっと生贄に選ばれることはいいことと







毎日のように言ってくる 。








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そんなお母さんと話をしていると








「 ... 大毅 ！！！ 居るんやろ ？ なあ ！ ちゃんと話そうや .. っ 」







なんていう大好きな聞き覚えのある声が外から聞こえてきた 。








「 ... 大毅 、 ちゃんと望くんと話してきなさい .. っ 後悔しないように 」









その望の声を無視しようとぎゅっと拳を握って耐える。







そんな俺の拳を優しく包み込んでお母さんはそう言った 。








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「 お母さん .. っ 」







「 望くん 、毎日来てくれてたのよ .. 早く行ってあげないと 」









お母さんの言葉を聞き終わる前に駆け出す 。








階段を降りて 、 外にいる望に抱きついた 。









「 やっと逢えた .. 大毅 、 大毅 .. っ 」








「 ごめん 、 ほんま ごめん っ 望 、 ごめんな 」









高校生の癖に二人してわんわん泣きながら抱き合った 。









これが、幸せって言うんかな 。

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