果たせなかった約束 ページ48
これは俺の前世の記憶。
鬼舞辻無惨を倒したあとの話になる。
俺は生死をさまよったんだと思う。
夢をみた。玄弥や他の兄弟たちがいて、
それとは別の暗い場所にお袋がいた。
そんなお袋を連れて行こうとする親父がいて、そのクソ親父に俺は追い返された。
途端に目が覚めたもんだから、あっちに行ってれば俺は死んでたんだと思う。
目覚めた俺をみて、手当てをしてくれていた隠や、生き残りの隊士たちは揃いも揃って泣いていた。
近くにいた隠に聞いた。
『……おい、…Aは、どこだぁ…？』
そんな俺の言葉に皆が顔を合わせてバツが悪そうに俯いた。
本当は聞かなくても分かってた。
あの後すぐにあいつが死んじまったこと。
俺だけが生き残ってしまったこと。
皆、言葉を探していた。
俺にどう伝えるべきか悩んでいた。
恋人同士という関係は知らなかっただろうが
俺たちがよく一緒にいるところを色んな奴らが見ていて、仲が深かったことは誰しもが知っていた。
故に言葉を詰まらせている。
『………わりぃが、連れて行ってくれぇ…』
そんな隠たちを見て先に言葉を発した。
動ける状態じゃないと止められたが、それでも俺はあいつの側にいたかった。
『…頼む。…治療を受けるならあいつの隣で受ける』
そう言うと、近くにいた男隊士2人が俺をAの元まで連れて行ってくれた。
少し離れたところに、横たわるAの姿があった。
ボロボロになっているその姿をじっと見つめた。
頭の先からつま先まで、至る所にある傷たちも全て目に焼き付けた。
傍らに座り込み、俺は絶望した。
周りにいる隊士や隠たちの目なんか気にもとめず、
その場で泣き崩れた。
『……A…っ。…Aっ…』
『………』
『頼む、…俺を一人にしないでくれ……』
『………』
『…生きて帰ると、約束したじゃねぇか…っ』
『…』
『…A…っ』
俺はAの身体に顔を埋め、泣きじゃくった。
失った。今日俺は、たった一人の家族を、
そしてたった一人愛した人を。
お前の笑顔ばかり浮かんで、楽しい思い出ばかり浮かんで、それはずっと続いていくんだと思った。
たった一日で、幸せだった日々が絶望に変わった。
『A……、……守ってやれなくて、ごめんな…』
そう、何度も何度も呟いた。
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苺 - 富岡じゃなくて冨岡ですよ ！あと私、実弥さん好きなのでめちゃめちゃこの作品好きです !! (2021年2月28日 14時) (
レス) id: 8cc7755bea (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 唯梨さん» 嬉しすぎるお言葉！煉獄さんのはぱっと思いつきで(笑)またいらしてください！ (2021年1月22日 16時) (レス) id: 3d4a15fd31 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - bell103ntさん» 嬉しすぎます！完結に向けて頑張りますね！ (2021年1月22日 16時) (レス) id: 3d4a15fd31 (このIDを非表示/違反報告)
唯梨(プロフ) - キュン死しそうです…！煉獄さんのあだ名が残り物掃除機なのめちゃくちゃ笑いましたww！更新楽しみにしてます！！ (2021年1月22日 16時) (レス) id: 10a0ab61a8 (このIDを非表示/違反報告)
bell103nt(プロフ) - 通知来るたびに速攻で来てます！！！任せてください！笑 (2021年1月21日 16時) (レス) id: b46ea41f08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結愛
| 作成日時：2020年12月31日 14時
