3JSBの末っ子ちゃん ⑤ (ページ8)

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幸せの意味 ⑥ ページ8

《広臣side》

それからしばらくすると

色んなもの両手に抱えながら

相方の隆二が帰ってきて。

隆｢……あれ？A寝ちゃった？｣

臣｢あぁ。ついさっきな(笑)｣

隆｢そっか。とりあえず毛布と～

あと冷えピタと～｣

……お前は田舎の母ちゃんか！

って、俺もさっきAに

お母さんみたいってゆわれたところだったんだっけ。

隆｢じゃじゃじゃじゃっじゃじゃーん！｣

臣｢…………｣

隆｢体温計ー！｣

ドラえもんの真似をするこいつのほうが

熱あんじゃねぇの？って思った。(笑)

そーっと右脇に体温計さして

ぴぴって音を確認して取り出す。

隆｢え？まじで？｣

臣｢……こいつ、ほんとむりしすぎ｣

……38.5。

臣｢普通に高熱すぎてびびってんだけど｣

すげぇよな。

こんだけ熱あれば、

相当しんどかったはずなのに。

普通に打ち合わせやってのけて

普通にレッスンやろうとして、

俺ならその辺で項垂れてるわ。

隆｢心配で目が離せない、って？(笑)｣

臣｢……んだよ(笑)｣

隆｢……臣って心配性だったんだ(笑)｣

臣｢んなことねぇよ。……こいつにだけ｣

隆｢ははっ、そっか｣

本当にこいつだけ。

俺はAと違って、みんなに優しいとか

みんなに平等とか、そんなん持ってない。

もちろんメンバーとかは大事にはするけど

どおでもいいやつはとことんどおでもいい。

ただただ特別なんだ。

こいつのこと。

ほんと、参るわ。

こんな可愛いやつが傍にいると。

｢……ん～……っ｣

すこし眉間に皺が寄って、

苦しそうにし始めたA。

苦しいんかな？

そりゃ高熱だもんな、しんどいよな。

そう思ってAの手を握ろうとしたとき。

｢……岩ちゃ、ん…………っ｣

…………ハッキリそう言った。

その名前を聞いたら

自然と胸は苦しくなった。

臣｢…………っ｣

隆｢……臣……っ｣

心配そうな声色で隆二は俺の名前を呼んだ。

なぁ、A……。

お前、本当にこれでよかったのか？

別れたことを選んで

お前の気持ちは前に進んでんの？

何をすることが

お前の幸せに繋がんの？

……もう、苦しんでほしくねぇって

俺はずっと思ってるよ。