3JSBの末っ子ちゃん ⑤ (ページ31)

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3JSBの末っ子ちゃん ④ ページ31

《岩田side》

会場はもう混乱状態だった。

予測してなかったわけじゃない。

なんなら予想範囲内だ。

でも実際に目の当たりにすると

自分自身次の言葉が出てこなかった。

自分で決めた道だけど

ファンのみんなを混乱させてしまったのは事実。

そんな時だった。

大好きな人の声が

会場に響いたのは。

｢……皆さん、混乱させてしまってごめんなさい。

急にこんなことを言って

ビックリさせてしまったと思います｣

Aの言葉に

少しずつ静かになってく会場に、

そのままAは言葉を続けた。

｢私が失声症を患ったとき

今まで生きてきた中で一番辛い時期でした。

私は、歌手になりたくて

みんなに歌を届けたくて

家出同然で家を飛び出して

地元を離れて上京しました。

オーディション受けて、メンバーに出会って

そこからもたくさんの出会いがあって。

毎日が幸せでした。

歌で始まった、自分で掴めたこの幸せな人生が

声が出ないことによって全部失ってしまうんじゃないか、

築きあげてきたものが全部崩れてしまうんじゃないか、

ずっとずっと不安な日々が続きました。

そんな時、支え続けてくれたのは

ここのステージに立ってるメンバーたちです。

毎日誰かは家に来てくれて笑顔にさせてくれた。

大丈夫って何度も何度も言ってくれた。

NAOTOくんはご飯を食べれてなかった日

夜遅いのに、仕事で疲れてるのに

わざわざご飯持ってきてくれた、｣

N 「…！」

｢直己くんは、いつも安心する笑顔と

お母さんみたいな存在でいてくれた、｣

直｢……！｣

｢ELLYは、いつも即興ラップ歌ってくれて

あたしのいいとこ毎日言ってくれて

励ましてくれた、｣

E ｢……｣

｢健ちゃんは、ギャグいっぱい言ってくれて

いつも笑わかせてくれた、｣

健｢…っ…っ！｣

｢隆ちゃんは、あたしが作ったご飯

おいしいおいしいっていっぱい食べてくれて

また作って！って優しい笑顔で笑ってくれた、｣

隆｢……っ｣

｢臣くんは、いつも意地悪なくせに

黙って頭撫ででくれたり、何も言わずに

安心させてくれた、｣

臣｢……っ｣