3JSBの末っ子ちゃん ⑤ (ページ21)

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新たな未来へ ① ページ21

《岩田side》

あれから少しして、

無事に退院した俺。

そして、

『岩田剛典さん、クランクアップでーす！』

初めてとなる月9主演の連ドラの撮影

クランクアップを迎えた。

でかい花束を抱えて俺の前に立つのは

俺と噂になった女優橋本理沙。

今までなら変にこいつを意識して、

あ、意識してってゆうのも恋愛としての意識じゃなくて

こう、敵とゆう認識の意識ってやつで。

入院中、Aといっぱいいろんな話して

これからのことちゃんと考えて

それに対しての未来もちゃんと見えたから

それからはもうどうでもよくなってた。

橋本理沙との件も

自分の中ではちゃんとケリつけたつもり。

理｢岩田さん、おめでとうございます｣

岩｢ありがとうございます｣

理｢後悔、ないですか？｣

岩｢……｣

理｢あたしと会えなくなりますけど｣

岩｢全く｣

理｢もう仕事をご一緒することはなくなります｣

岩｢………｣

理｢事務所から共演NG出ましたので｣

岩｢そうですか｣

理｢……お元気で｣

岩｢橋本さんも｣

理｢彼女さんとうまくいけるように

願ってます｣

橋本理沙は最後にその言葉を残して

そしていつものあの女優笑顔で

俺の前から去った。

後から聞いた。

俺のこと、好きだったわけじゃないって。

何でもオールマイティにこなせて

誰からも愛されて

人としても完璧にみえたAが

ただ羨ましかっただけだと。

結局こいつも、園田と同じようにAに嫉妬してた。

全てを終わらせるとき、

こいつが放った一言がどうも気になるけど。

理『…あたしも、東城さんのこと好きになりました。』

って、そう言った。

だから、やめます。ってそう付け足して。

全てが終わった。

邪魔な者はもういなくなった。

あとは俺達が…

俺達の力で、頑張るだけだ。