3JSBの末っ子ちゃん ⑤ (ページ19)

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本当の気持ち ⑩ ページ19

《岩田side》

何度も何度も涙を拭ってるけど

Aの瞳から流れ出てくるそれは

止まることがなかった。

ずっと、ごめんねって繰り返すばっかで。

岩｢……A…………っ｣

｢…………っ｣

岩｢お前、は……。笑ってる顔が、１番可愛いよ……｣

｢……岩ちゃん……っ｣

岩｢……笑って…｣

そんな言葉に頑張って歯食いしばって

泣きやもうと頑張ってる。

いつもAはそうだった。

俺のこと１番に優先してくれんの。

今だって俺のために笑顔みせようと

頑張ってくれてて。

涙は未だに流れ続けてたけど

うっすら俺に微笑んでくれた。

そのあとにゆっくりと口を開いたA。

｢……何で……｣

岩｢……んっ？｣

｢何で、あたしのこと……庇ってくれたの……？｣

岩｢…………｣

何で？

そんなんさ、答えって1つしかねぇよ。

岩｢……Aのこと、好きだからじゃん。｣

｢……っ！｣

岩｢いっぱい傷つけたし、泣かせちゃったし

気持ち伝える権利もねぇかもしんねぇけど……。｣

｢…………っ｣

岩｢……出会ったときから……。

別れた今だって……。

これっぽっちも俺の気持ちは変わってない……｣

｢……が、んちゃん……っ｣

岩｢Aのこと、……誰よりも１番大事｣

……いっぱい傷つけてごめん。

……いっぱい泣かせてごめん。

でも俺は、お前が傍にいないと

俺じゃなくなっちまう。

ねぇ、A。

今一生懸命頷きながら流してる涙は、

さっきまでの涙の意味と違うって受け取っていい？

俺にまだ気持ち残ってたって思っていい？

岩｢A……｣

｢……っ｣

岩｢好きだよ……｣

｢……っ｣

泣き続けるAは、

言葉にした。

"あたしも"って……。

岩｢……抱きしめさせて？｣

｢岩ちゃん……っ｣

岩｢おいで｣

起き上がれない俺は、

片方の手を少し開くことしか出来なかったけど。

俺の傷が痛まないように

そっとゆっくり俺の体に少し触れるように

Aは俺の右肩に顔を置いた。

背中に回したAの背中が懐かしくて

やっと取り戻したぬくもりに

ただただ嬉しくて、そして幸せな気持ちで満ち溢れた。