3JSBの末っ子ちゃん ⑤ (ページ14)

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本当の気持ち ⑤ ページ14

《広臣side》

N ｢……臣、Aの様子は？｣

臣｢……だいぶ参ってます…………っ｣

NAOTOさんも駆けつけ、

心配するのはやっぱりAのことだった。

N ｢……事務所に置いてあった

Aのジャージ持ってきたんだけど……｣

臣｢……ありがとうございます｣

N ｢……着替えれるかな、あいつ……っ｣

よくみれば、至るところに

血みたいなんがついてて。

きっとその血は岩ちゃんのものなんだろうけど。

俺たちもみていたくねぇし

Aもそのままだと余計に辛いと思うから

着替えさしてやりてぇけど。

立ち上がる元気すら、ねぇんじゃねぇかな……。

N ｢A……、……着替え持ってきたからいったん着替えよ？｣

｢…………うん……｣

N ｢……立てる？｣

｢……大丈夫…………っ｣

立ち上がろうとした瞬間

ふらっと後ろによろけるA。

それを支えるNAOTOさんと

近くにいた大樹。

俺も急いで駆け寄る。

臣｢……大丈夫か｣

｢……うん。……ごめん…………っ｣

臣｢……歩ける？｣

｢うん……｣

……その時だった。

ぱっと手術中のランプが消えて

扉が大きく開いた。

ナースさんたちに運び出される岩ちゃん。

その姿は痛々しくて。

頭に包帯なんかしてて。

医｢命に別状はないですし、大丈夫ですよ｣

その医者の言葉に全員がほっと胸を撫で下ろした。

医｢後遺症等の心配もないでしょう。

ただ打ち身がひどくて、目を覚ますのに

少し時間がかかるかもしれません。

目を覚ましたとき１人だと心細いでしょうから

交代で傍にいてあげてくださいね｣

そんな言葉を残して

先生達は廊下を進んでいく。

各々に頭を下げてお礼を言って

よかった、って泣いてる者も何人かいた。

大｢Aさん、よかったですね……！｣

｢うん……！……うん……！｣

泣きすぎてるAは、

もう言葉に出来てなくて。

とりあえず運ばれた病室には

俺達メンバーだけで入った。

Aはそっと岩ちゃんの手を握って

その手をずっと撫で続けてた。